今回料金設定を上げたことにより功罪がはっきり出てると思いました
私にとってはトーハク特別展において異例の満足感だったので功の部分から述べていきます
値段が高いことにより、入場者へのハードルは上がりました。そのため前回のキモノ展(夏休み期間中の開催)とは比べものにならないほど人口密度が低かったです
キモノ展は…というかトーハクの特別展はいつも激混みだけど今回はほんとに独り占め!という感じで。
入場してすぐ洛中洛外図がバンバンバン、と3パターン来て、それだけで30分は足が止まりそうになるんですよ
そのあと、なんか見たことある焼き物だなーと思っていたら三井美術館で見た国宝の志野茶碗《卯花墻》がある。
さらに大きな作品が続いて圧倒されている間に
狩野永徳とか聞いたことのある画家の名前が並んでいて、日本史の資料で見たことのある肖像画があったりして、千利休で心を落ち着けてからの…
第5章「桃山の成熟」に入り、ものすごい勢いで桃山文化に殴りかかられる。
中盤での豊国祭礼図屏風は脳がかき回される感じがする…
狩野山楽の襖絵もすごく大きい。
激動の時代が迫ってくるような、これでもかというくらいの圧倒のエリア。
ここを、ほとんど人がいない状態で見れたという充足感がすごい。
迫力と熱気のあとの第6章「武士の装い」は静かなる鎧と刀剣のエリア。
深い闇の底で眠るような、かの時代を弔うような静けさ。
そして最終章で天下泰平の世に移り、襖絵の鷹は翼を閉じるのです。
日本各地から集められた素晴らしい作品たちを時代の元に配置して一度に見ることができるなんて
…なんてすごいことだ…!
2400円とか超安い…!
と、その場にいた少数のオタクたちは思ったことでしょう
閉館30分前の洛中洛外図の周りに集まる人たちには妙な連帯感を感じた…
罪の部分はやはり金額が上がったことによるハードルの高さ。
好きな人はいい環境で見れるかもしれない。
だけど、値段によってこれから好きになるかもしれない人のきっかけを奪っているかもしれない。
国立の施設なわけだから…
でも安かったらこの空き具合はないわけだし…
といろんなことを考えさせられました。
ワッペンで洛中洛外図トートバッグつくるんだ…!
1階には高精細レプリカがあるんだけど、やっぱり違うんですよね
画質だけじゃない、経てきた時間の長さも関係してるんだろうな