すきなもの雑記

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令和三年 国立劇場 初春歌舞伎公演

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演目「四天王御江戸鏑」(おえどのかぶらや)

 

まず、初期設定のおさらいです

頼光四天王

1 渡辺綱

四天王の筆頭。説話の時点でイケメン設定。

(光源氏のモデル、源融の子孫という話も)

2 坂田金時

金太郎の成長した姿。剛力なのか。

3 碓井貞光

大鎌で蛇を退治した説話が残る

劇中では弓も扱うし武器が巧みな設定?

4 卜部季武

坂上田村麻呂の家系?

卜部という姓は陰陽師を意味するとも?

 

◆彼らを束ねるのが源頼光

朝廷の命を受けて全国津々浦々の怪奇現象に立ち向かいますが、現在は療養中。

 

◆四天王とは別に頼光に仕えているのが

平安時代の有名な武人 平井保昌

その弟で悪名高い盗賊 袴垂保輔

 

◆今回の敵役は

平将門の息子 良門。

頼光と言えば…の土蜘蛛

 

将門の子といえば滝夜叉姫は作中には登場しませんが、姫の討伐に派遣された大宅光圀が最後に登場

 

と、ここまでが前提。

〜あらすじ〜

良門と一味が源氏への復讐を画策中

・内侍所の御鏡

・繋馬の旗

を使おうと算段している

さらに頼光の天敵、土蜘蛛の力を借りることに。

 

場面は変わって鳶頭の綱五郎たちがお座敷で宴会中。一番人気の花咲さんが呼ばれ、綱五郎を気に入る。その日のうちに所帯を持つと決め、花咲の母も部屋にやってくる(お座敷におるんかい)

宴会中に揉めた森右衛門が裃に姿を変え、綱を頼光の館に連れていく。

 

頼光の屋敷で平井保昌と綱五郎が対面。

これからやって来る弁内侍(べんのないし)さんは綱の許嫁だが、肝心の綱は行方不明。

保昌は弁内侍さん所有の御鏡を取り戻す約束をしているが見つからないので綱になりすまして時間を稼いでほしいという。

そこに、お屋敷まで追ってきた花咲さんと母が綱になりすました綱五郎と許嫁の弁内侍と対面。三角関係が露見する

そして綱は、実は綱五郎がなりすました張本人。

花咲の母が良門の一味であると見破り、繋馬の旗を巡って戦う

 

一方盗賊の袴垂保輔は、実兄平井保昌になりすまし、土蜘蛛に呪われ苦しんでいる頼光に御鏡を見せる。

頼光は御鏡を隠し持っていた保昌(になりすました保輔)に激怒し、保輔は己を恥じて切腹する。すると突然土蜘蛛が現れ御鏡を奪って消えた。

何も知らない保昌は別の御鏡を持って現れ、頼光は真の御鏡の力で呪いから開放される

頼光は残りの四天王その他を呼び寄せ、碓氷貞光の水破兵破の鏑矢で土蜘蛛を退治

良門は頼光や四天王、一条帝や大宅光圀のいる中で後日の再会を誓う

〜終わり〜

 

感想を一言でいうと

すごく、とても、面白かったです。

あらすじを読んでそんな予感はしていたんだけど。

もうとにかく菊之助さんが美しい

笑っちゃうくらい綺麗

土蜘蛛で真っ暗な中スッポンから出てくるんですが、明かりが蝋燭のみ

妖しくて美しくてかっこよかった

そしてチャリ場で薄紫の着物の花咲になるんですけど、私の好きな女(方)はこういうはすっぱな役があうのよね

野暮な客にはなびかないわよ、みたいな。

菊之助さんの女方本当に好きだー

 

ここでNiziUのメキハピ踊るんですけど、花咲さん振付完璧じゃん、しかも「何さ踊るのかい」みたいな感じで完璧じゃんすき。

チャリ場の最後も凝ってました

くにゃくにゃになる粉で柱まで曲がる。

オーバーイーツがやって来る、それを静止しに劇場のお姉さんがやってくる。幕引きも含めてみんなくにゃくにゃにしてしまうおやじ様。仕方ないので自分で幕を引く。

 

三角関係が露見する場で困っちゃう綱五郎。

弁内侍(右近くん)にマウントとる菊之助さん。

この場は全体的にコメディぽくて面白かったです

お座敷の寝床は現代のベッドシーンみたいだった

 

大詰は舞台上を宙乗りする土蜘蛛

炎に包まれて真っ赤になったりして、迫力がありました

四天王は最後の場にしか出てこなかったけど、フルサイズバージョンではもっと見せ場があるのかな

彦三郎さん(碓井)が土蜘蛛を退治していたので

前の月代役の日本振袖始を思い出しました

あと最後に菊之助さんがいちなり立役で出てきたのでびっくりした

前半に見に行ったので萬ちゃんが幕前で三番叟を踊ってました

そしてやっぱり帰り道で「四天王って誰なの?」って話してる声が聞こえた😂