すきなもの雑記

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小村雪岱スタイル@三井記念美術館

平日昼間、完全予約制にもかかわらず

めちゃくちゃ盛況でした

BS日テレのぶらぶら美術館で放送したから?

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小村雪岱の略歴を見ていると近代日本画の黄金期と重なってるんですよね

空間で空気感を表現した画壇と似通った部分もあるけどそこまで高尚ではない

錦絵に近い作品もあるがそこまで俗っぽくもない

 

ほとんどは小説の装丁や挿絵の展示です

泉鏡花と縁があった生涯で、それをきっかけに売れっ子挿絵画家になったとか。

装丁している本の内容も気になっちゃいますよね

「おせん」は展示している本の中が少し読めたんですが、面白そうだったから読んでみたいな

 

ちなみに

小村雪岱が装丁をする前、泉鏡花の代表作「高野聖」は、初めて読んだときの感動を今でも思い出せるくらい素敵な作品です。

年齢を重ねるほどに読むと心が奮い立つ

 

版画や肉筆画、模写なども展示されています

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不思議とこの版画を見ていて、魔夜峰央さんのパタリロを思い出しました

筆圧を感じさせない均一で繊細な描線

 

版画作品は雪岱が生きていた時代の少し前である、江戸の情緒が感じられてとても良いです。

特に夜。

最近はスッキリした店構えやインテリアの店舗が人気だったりしますよね

版画で見る江戸の町並みはすごくシンプルで、今の流行りに通じるものがあります

 

さて今回の展示で私が見たかったのは歌舞伎の背景美術の原画。

昭和のはじめは大菩薩峠を新作でやってたみたい!

河鍋暁斎の時も歌舞伎の下絵がありましたが

雪岱の作品の方が着色もされているし現在の美術設定の指示書に近い感じがしました

こういう下絵が何十年も受け継がれて歌舞伎座で目にしている背景になっているかと思うと時代が一つにつながってるんだなあと感慨深くなりました

親交があったという六代目菊五郎は、家系図で見るとおやじさま(七代目菊五郎)の祖父にあたるけど、血縁ではないのね

どちらかというと勘三郎さんの母方の曽祖父にあたるようです

3期歌舞伎座落成で何か奉納しているかもしれない。今度行った際に探してみようかな。