すきなもの雑記

話したいことを話したいだけ

ミネアポリス美術館展@サントリー美術館

ミネアポリス美術館所蔵品の中でも日本絵画に特化した展示です

 

最近気になっているのは狩野山雪

襖絵や屏風のモチーフがやさしい

今回展示の群仙図襖をなんとなく眺めていたら右下に何か…いる

あれ…何…?(蛙らしいです、険しい顔した蛙むちゃくちゃかわいいかった)

しかしながら

中国の爺さんたち(仙人ね)がわらわら描かれた襖の部屋、落ち着かなそうだよね、寝るときとかね。

 

下の階に降りると曾我蕭白の群鶴図屏風と伊藤若冲の鶏図押絵貼屏風があるんですが、絵師って昔も今も本当に才能が素晴らしい

鶴も鶏も簡素にして雄弁、今にも動きそうとは正にこの事。

この時代の絵師の描く動物は近代日本画に比べると写実の中にも主張があるというか、コミカルでマンガっぽい

墨で描いているのでより一層そう感じるのかも

 

浮世絵(錦絵)もたくさん出品されていて、東洲斎写楽のあの有名な作品が見れます

やっぱり歌舞伎の知識が多少でもあると浮世絵見てて楽しい

顔が赤いと坂田金時かなとか思えるし、書かれてる文字読んで「あ〜あのお役!」ってなって当時と繋がれる感じがいい

葛飾北斎の諸国名橋奇覧からも出品があります

構図がかっこいいですよね

全部まとめて画集で見たい

浮世絵の〇〇景って統一感もあるし、コレクターのコレクション欲が満たされるんじゃないかな〜

何にしろ海外の美術館で日本の作品が大切にされているなんて嬉しいですね

 

本展覧会は撮影OKでした

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THE BLOSSOM HAKATA Premier

博多座遠征のため宿泊

博多駅祇園駅から歩いて10分ほど。

キャナルシティの近くです。

隣の三井ガーデンホテルと土地を分け合うように建っています

どちらも新しくて低層階にはレストランやカフェ併設、コンビニも近くて便利

エントランスやロビーの感じから韓国系のホテルかなと思いましたが、JRホテル系列のようです

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無理な水回りもなく過ごしやすかったです

ロビー階に大浴場があるため部屋にはバスタブがありません、シャワーブースのみ

紅茶の香りのするアメニティがとっても良くて

【楽天市場】【500ml×1本】 シャンプー 紅茶の香り アロマドール ダージリンティーの香り:ホテルアメニティ マイン通販

このシリーズだと思います

むしろ福岡のお土産として買って帰りたかった〜

ボディソープの洗い上がりがしっとりしていてよきでした

「ん?」って思うところが全然なかった

快適で現代的ないいホテルだと思いました

おすすめ

 

さて周辺を散歩すると…

徒歩15分くらいで総鎮守・櫛田神社に到着
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櫛田神社は7月の博多祇園山笠の準備中。

朝さんぽだったので8時すぎくらいに行きましたが出勤途中っぽいサラリーマンや地元の方が参拝に来ていました

大切にしてくれていると神社(概念的な)も嬉しいでしょうね

 

まだまだ歩けそうな時間だったので住吉神社

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櫛田神社か町中で大衆的な感じに対し、住吉神社は森を背負っていて神秘的な感じ。

こちらも参拝する人、掃除をする人、もういつもの日常が始まっている様子でした

なんだか雰囲気とか拝殿の配置が秩父秩父神社に似ていると思った

初めて来たけど前にも来たことがあるような…

 

緊急事態宣言中だったので夜の街があまり見られなくて残念

川沿いには窓の大きいレストランが並んでいたので平時に来たら素敵でしょうね

 

 

 

 

 

劇場版 少女歌劇レヴュースタァライト

TVシリーズ未視聴

予告を見て、自分の嗅覚に従い鑑賞してきました

 

「ワイルドスクリーンバロック」という空間に突然放り込まれる展開が、20年以上前に見ていた少女革命ウテナを思い起こして懐かしい気持ちに。

 

劇場版だからといって起承転結があるわけでもなく、淡々と舞台人を夢見る(見た)少女たちの葛藤と闘いが繰り広げられます

なので、キャラクターに思い入れがない私にはちょっと単調に感じられました

ですが、ここまでたどり着く人はほとんどがキャラクターもしくは作品に思い入れのある人だと思うので、制作陣のねらい通りなんでしょう

 

佳境に入ったところで、キリンがアルチンボルドの作品のような野菜のオブジェクトに変わりそこはかとなくグロテスクな雰囲気を醸し出していました

「星」の文字のパーティクルを使ったエフェクトを使ったり、アイディア満載で見ていて面白かったです

 

 

ところで、個人的には見ていて

「舞台に命をかけて、その先は?」って思ってしまいました

 

若い時分はこれが一生の道、と思うだろう

しかし妙齢になりそれを貫ける人はどれほどいるだろうか

恋をし男に抱かれ家庭を持ち、女の人生の目的は徐々に変わっていく

もうちょっと日本のアニメーションに青春讃歌の先にあるものをエッセンスだけでもいいから描いてほしいな、と思う次第です

 

 

宝塚花組 アウグストゥスー尊厳ある者ー

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東京宝塚劇場花組公演「アウグストゥス−尊厳ある者−」「Cool Beast」を見てきました!

 

アウグストゥス−尊厳ある者−

見た方のブログでは分かりづらい、暗いなどの感想がありましたが、意外と気にならず楽しめました

ただ私はローマの歴史は全く詳しくないので、このストーリーが正史ではないらしいということだけ胸に留めておきます

 

カエサルの甥、オクタヴィウスがローマに戻るがカエサルはブルートゥスと元老院の反勢力に討たれる

カエサルの腹心アントニウスはブルートゥスを討ち、クレオパトラと関係を結んでエジプトに渡る

カエサルの跡を継ぐオクタヴィウスはアントニウスと決着をつけるが…

 

 

まあとにかくセットが豪華だなと思いました

室内のシーンのために天井から壁と柱が降りてくる

回り舞台いっぱいにステージが組まれているんですが舞台に奥行きがあるため斜めに配置できるんですね

ステージの奥行きを活かして民衆と元老院を対比させたり、ダンスに幅をもたせたりしてうまく考えているなあと思いました

狭い舞台でセットを縦に積む工夫も良いけど、やっぱり大劇場っていうのがいいですね

衣装も良くて、マントがたっぷりと翻るのがかっこよかったです

あと群舞がすごく揃っていました

神(概念)も禍々しくて良かった

 

Cool Beast

いわゆる2本物のショーを初めて生で観たんですが

本当に体感5秒ですね!

中詰、ロケット、デュエットダンスなどのお決まりが来るたびに(え?もう?)となり、気がついたらパレードでした

なんか割とオペラで聖乃あすかさんを追いかけていたんですけど、K-POPのfancamしかり、スイッチングとは別の魅力が現場にはある…!

余裕の表情だし、動きがしなやかだし、視線が吸い寄せられる

しかも歌舞伎と違ってみんな見上げてくれる(立ち見席でした)

スーツの後ろが尻尾みたいに毛が生えていたり

シャンシャンの代わりに尻尾(?)持ってたりかわいいなと思いました

 

 

 

菅公のお膝元で菊之助さんが初めての浮気? 令和三年 6月博多座大歌舞伎

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菊之助さんの与三郎…

菊之助さんの身替座禅…

 

ということで行ってきました博多座

 

1部

与話情浮名横櫛  見染の場  源氏店

与三郎…菊之助

お富…梅枝

多左衛門…梅玉

 

筋書きで菊之助さんも梅枝さんも「禁断の恋」という言葉を使っていて思い当たることがありました

源氏店、ロミオとジュリエットが死ななかったバージョンの後日談ではないかと

一時的に燃え上がるように愛し合った二人だけど周りを見渡して我に返った時、残るものは遺恨だけ…みたいな

 

菊之助さんの木更津でのちょっと声色が若い感じ、若いというより背伸びした子供みたいな感じを見てロミオっぽいな〜と。

そもそも与三郎のキャラがずるいですよね

チンピラだけどお坊ちゃんだからわがままで

なんだか憎めない性格。

玄関前で石ケリケリしてたり(菊之助さんは蹴った石を横1列に並べようとしていたような…)、蝙蝠安に帰ろうと言われても「やだよ」ってぷいってしたり。

見染の場では、菊之助さんと彦三郎さんが花道で「この辺は初めてかい?」「いや2年ぶりで〜」みたいな博多座トークをしていました

 

 

2部

吃又

又兵衛…梅玉

おとく…梅枝

修理之助…莟玉

雅楽之助…萬太郎

 

まず虎さんね

虎さん、今回も可愛かったです

まるるは「龍」の字で虎を消してたな

梅玉さんとまるるが師弟で又兵衛と修理之助を演じていたのでぐっときました

 

吃又は去年、猿之助さん勘九郎さんで観たんですが

この時も言ってるけど、雅楽之助が出てくるまで割と寝ている人が多い

今回もそうでした

だけど雅楽之助が出てきて以降は展開がスピーディになるからか、手水鉢のくだり以降は寝ていた人もかなり起きている

場面も変わらないし音楽がずっと派手なわけでもないのに不思議です

 

身替座禅

右京…菊之助

玉の井時蔵

太郎冠者…彦三郎

 

菊之助さん、初めての浮気(語弊)を見てきましたよ

こんなにエロオヤジ感のない身替座禅で、いいのか…?むしろ恐妻に疲れ果てた感じで殿様が何だかかわいそうなんだけど

帰ってきた殿様が花子(浮気相手)とのめくるめく一夜を太郎冠者(実は奥方)に聞かせるところは可愛らしすぎてやれやれって感じでした

でも、こんな殿様だと奥方も力いっぱい懲らしめられないのでは…?

そんな感じで、普段とは違う身替座禅を楽しめました

ちなみに7月歌舞伎座で身替座禅やりますよね〜

芝翫さん玉の井って

松竹の洒落か何か?

 

 

さて、前乗りで博多に着いたため

少しだけ出かけることにしました

福岡県といえば菅公ゆかりの太宰府天満宮

菅公といえば「菅原伝授手習鑑」ですね

電車で向かったんですが、ラッピングも内装も素敵

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太宰府って都として整地されていたんですね

絵巻などで見ると菅原道真って俊寛ばりの難地に行かされたのかなぁと思っていたけど。

 

参道を抜けると大きな池や太鼓橋、大木が出迎えてくれます

私は曇女()なので、曇り空で緑のしっとり感が際立ちます

撫で牛や梅の木に囲まれて、菅公は苦界の悲しみを癒やしているのでしょうか

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さて、

太宰府天満宮から少し歩くと九州国立博物館が建っています

 

東京、京都、奈良の国立博物館は重厚でクラシカルな外観ですが九州は現代的です

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このトンネルを抜けると

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建物が見えてきます

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天井が高くて広々とした空間。

広いので特別展の時にはいろいろとレイアウトできそうです

 

 

満員御礼桜姫 令和三年 6月大歌舞伎

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6月は1日で3部まで観劇。

濃すぎて結構本気で疲れました。。

通常の興行に戻ったらどうなるんだろう。。怖。

 

1部

御摂勧進帳

昔話を舞台化したような感じ。

後半の展開がおも…しろいと言っていいのか?

番卒の首が引っこ抜かれ首元から赤い布を出して自分の首を隠しながら退場

首の玉入れみたいなのが始まって中央の大きな桶にポンポン投げ入れられる

弁慶が桶の上に乗り金剛杖でかき回すから「芋洗い」なのね

関守の部下と番卒が元気よく、立ち回りも揃っていて良かったです

 

夕顔棚

左團次さんの爺がいいお顔をしていて

夏の暑苦しさがふっと和らぐような爽やかさです

若い男女で巳之助さんと米吉さんが出てきますが

めっちゃ美男美女カップ

米吉くんはどこまで可愛くなられるんでしょうか

 

2部

桜姫東文章  下の巻

前回のあらすじ紹介が冒頭にあります

残月と長浦の庵室に身を寄せる清玄

そこに葛飾のお十と名乗る女がお祓いに現れる

金と香箱を勘違いされ、残月の金欲しさによって清玄は殺される

遺体を埋める穴掘りに権助が呼ばれ庭で作業

女郎屋に売られた桜姫が庵室に戻ってくる

雷が落ちて清玄が生き返り、薄暗い中で桜姫を追い回す

権助の掘った穴に頭から落ち、首に包丁が刺さった状態で穴から出てくる

権助が清玄を退治し、権助と桜姫は所帯を持つ約束をする

しかしその生活はうまく行かず、「風鈴お姫」として女郎屋に出る桜姫だが、清玄の霊が枕元に立つのでなかなかお客がつかない

喧嘩になった勢いで、権助は都鳥の一巻の盗みと梅若丸殺しを桜姫に話してしまう

桜姫はお家潰しの元凶である権助を殺し、彼との間にできた赤子も殺す

大詰では都鳥の一巻を取り戻し大団円となる

 

ストーリーがぶっ飛んでて人物も濃くて

これを仁左衛門さんと玉三郎さんが演じるっていうのが面白いですね

清玄は墓穴に頭から落ちていってそれもびっくりだけど、包丁が刺さった状態で出てくるのもびっくり

そして幽霊となり庭先から見ていると権助が現れる…って、え!いつの間に清玄入れ替わった??

幽霊、完全に前を向いているので清玄役の役者さんと似てる人じゃないとだめですね🤣

清玄が桜姫を追いかけ回していた後で罪を吐いた権助が桜姫に追いかけ回されるというのが印象的です

長々と追いかけて何度も刺し違えるのがリアル

どちらかというとこれを底本として、どこまで脳内で補完もしくは掘り下げられるか

人によってその広さや深さが変わってくるのがこのお話の魅力だと思いました

 

 

3部

日蓮

コロナ禍での様々な制約がある中、

澤瀉屋のポテンシャルで迫力の舞台になっていました

猿之助さんは人を引き込む力が本当にすごい

満席の観客を見ていても感じる

宗教家ではなく歌舞伎役者で良かったなあと思う次第

おどろ役の笑三郎さんの熱演が胸に迫りました

 

 

 

 

 

 

 

国立劇場の最寄、半蔵門駅と言えば

国立劇場へ観劇に向かう際、半蔵門駅で降りると、構内に気になるポスターが掲示されていませんか?

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この「半蔵門ミュージアム」なる所のポスター。

半蔵門ミュージアム

聞いたことないな、と思いつつも入場無料と書いてあるので気になってはいました

何より展示内容に興味あり

6月歌舞伎のあとに少し時間があったので寄ってみることに。

 

場所は国立劇場とほぼ反対側、4番出口からすぐです

なんの情報もなく飛び込んだけど、明るいエントランスと丁寧な学芸員の皆様

どうやら真如苑という宗教法人が運営されているらしい

普段の美術館の対応、お寺の雰囲気とは違いすぎて、入った瞬間ひるみました

新しくてとてもきれいなミュージアムです

3階のミニシアターの上映がもうすぐだと言われたので、まず3階でガンダーラについての映像を鑑賞、仏教の広がりとか興味あるジャンルだったので見入ってしまいました

その後地下1階の展示室に向かいます

天井が高めの靴音が響くようなしっとりとした空間で、思ったよりも見学者が多かったです

そして、細長い展示室なんですが

突き当りに運慶作(推定)の大日如来坐像があります…!

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以下、wikipediaより抜粋

2008年3月、海外流出が懸念されていた鎌倉時代の仏師・運慶の作とみられる「大日如来像」(2009年、重要文化財指定)が、ニューヨークのクリスティーズでオークションにかけられた。真如苑三越に依頼して1430万ドル(約14億円)で落札した。文化財としての調査と展示のため、その後7年間東京国立博物館に寄託された

 

丸くふっくらとした顔に少し中央に寄った目。しかしながらその目を開けば今にも動き出しそうで。

後ろにも回り込めるのでじっくり堪能しました。

 

半蔵門にこんなスポットがあるなんて知らなかった!

また会いに行きたいと思います