すきなもの雑記

話したいことを話したいだけ

シネマ歌舞伎「京鹿子娘二人道成寺」

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本来だったら4月公開だったはずが東京は緊急事態宣言の影響で映画館は休業、今回改めて公開していた模様

出演は玉三郎さんと菊之助さん

上の宣伝写真、まじで綺麗すぎませんか…?

今回もそうだし他の作品を見ているときでも、登場した玉三郎さん菊之助さんを見るたびに「ハ!?美しすぎて意味がわからないんですが!?!?」

って脳が混乱する…

 

最初に登場するのは20人くらいの坊主たち。

片岡亀蔵さんは声ですぐわかった

この並び方や座り方がウェーブみたいに規則的で、なんだか宝塚等で見られるラインダンスを思い浮かべた

坊主のラインダンスや…てなって、冒頭は一人で楽しかったです

「さあさあこちへ、きな(来な)こ餅きなこ餅」とか…

 

坊主といえば

年始に福井の永平寺に行ったんですが、敷地内の見学ルートの横に食堂(じきどう)があり、修行中のお坊さんたちが食事後の片付けかな?をしてるのがちらっと見えて、それが今どきの若者らしく話していたりパタパタ廊下を駆けていったりして、他のお寺であまりそういう所に接したことがなく新鮮だったので、見ながらそれを思い出しました

 

太鼓の方が横向きに座っていて打ち方が、とにかくかっこいい!!お二人で並んでいるんだけど打ち方が完璧に揃っていて所作もかっこよくて攻撃力が高い

 

白拍子のお二人はとにかく衣装替えをします

画像の黒地→赤地→藤色→着流して金→白

動画の予告を見返したら桃色とか黄色もあった

何枚重ねてるんだろう、着物も帯も髪飾りもとても細やかで美しい

 

踊りの小道具もたくさん登場します

扇子→花笠→手拭い→鼓→鈴太鼓

途中で毬をつく動作があったりもする

 

 

 

 

 

実は今回の演目を見ていて思ったことがあったんです

フラメンコと共通点が多いなーって😅

 

まず出演者の構成

踊り手、ギター(=三味線)、カンテ(=長唄)、パルマ(手拍子≠鼓と太鼓)

 

使う小道具

アバニコ(=扇子)、コルドベス(帽子のこと=花笠)

マントン(大判のストール=手拭い)、パリージョ(カスタネット=鈴太鼓)

 

今回の演目ではどんどん衣装を脱いで衣装を変えていくんだけど、

フラメンコでも男性の踊り手はジャケットを着て踊り始めるも、途中でジャケット脱ぐ→ベスト脱ぐ→ボウタイ取る→シャツをスボンから出す、という暗黙の所作がある

上半身を客席に傾ける回転も似ているし、扇子の見せ方も似たところがある

 

そもそも菊之助さんをナウシカ歌舞伎で見たときに床を踏み鳴らして踊っていて、なんか共通するなと思ったのだった

フラメンコの場合は靴底に釘が打ってあるので音が出るけど、歌舞伎の場合は足袋だけで音を出してるからすごい

あと演目によっては膝で音を出したり、中腰で膝を伸ばしたまま音を出しているので痛そう

 

もちろん共通しないところもあって、

フラメンコはほぼ立ったまま踊り、膝をつくことはない

曲(やリズムの取り方)の解釈が合っていればそこまでのユニゾンは求めない

むしろ個性を活かした身体の使い方や表現が好まれる

 

玉三郎さんと菊之助さんは徹底したユニゾンを目指している感じを受けた

お互いに踊りながら隣の動きを感じている感じ

あまりに同じ過ぎて途中でどちらがどちらだかわからなくなったくらいでした。