すきなもの雑記

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令和二年12月 国立劇場 歌舞伎公演

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1部、初めて生で見る三人吉三

 

ちなみにこの春、コクーン歌舞伎三人吉三沼に首までイッてました

 

コクーン版との違いは大きくニ点

①伝吉が出演する/しない

②墓地の場の有無

コクーン版しか通して見たことがない私にとって、伝吉ってもしやそんなに主要キャストじゃない…😯?という衝撃

というか、主要キャストのシーンを省略しても成立するというのは衝撃的でした。

 

さらに墓地の場の前、源次が軍鶏を解体するために研いだ包丁。

これがおとせ十三を殺すための凶器になるわけなんですね…

刀じゃないっていうのもまた衝撃で(坊主だからね)。

コクーン版ではただの小道具に過ぎなかった包丁だったので(あ、これで殺すんだ、)と思った瞬間、急にいろんなことが繋がって寒くなりました

 

要は兄が妹とその恋人を惨殺。

しかも父が死んで頼りに来たところをだまし討ちに、殺すと告げ二人もそれを受け入れて…

(この時のぶちっぽい衣装も犬の呪いを表しているとか)

これも因果、なのかなあ。。

黙阿弥のストーリー展開って江戸(幕末の不安な世情)だからこその感覚かと思っていたけど、黙阿弥自体がサイコパス作家だった可能性も捨てきれない…

筋書きで読んではいたものの、実際に見ると「はあ!?!?和尚ひどいんだが!?!?」と思いながらハンカチ握りしめて泣いてました。

客席からもすすり泣く声が。

その雰囲気で芝翫さんの芝居のスイッチが入った感じがした。

そうそう、庚申丸うんぬんとおとせ十三の出会いのくだりもないので、開演5分後くらいには大川端の台詞になるんですよね。

あっけないなと思ってたけど、こうやって書くと後半盛りだくさんなのでやむなし。

ラストは見得で終わるのでバッドエンド感はあまりありません。

演出によってこんなに印象が変わることが驚きでした。