今月は
1部 十種香、泥棒と若殿
3部 袖萩祭文、連獅子
を観劇
巷では2部が話題でしたね
私も時間があったら見たかった
【十種香】
現代のミステリー作品にありそうな設定。
死んだ武田勝頼の恋人(八重垣姫)の屋敷に勝頼に瓜二つの男が。
ただの下男(花づくり)と名乗るが、実は仇敵長尾家にスパイとして潜り込んだ勝頼本人だった!
そこへ長尾謙信が現れて…
ストーリーがまずとても面白いですが、さらに八重垣姫は大役で「三姫」の1つに数えられるそう。
着物も真っ赤で可愛いし、一途なお姫様です
場面転換せず、同時並行で3つの部屋にそれぞれ人がいるのは現代劇みたい
【泥棒と若殿】
紀尾井町夜話で松緑さんと巳っくんが演目について話していましたね
松緑さん、こじらせお殿様が巳っくんにリンクするって😂
あらすじは、お家騒動で軟禁状態の若殿のお屋敷に泥棒が入るが取るものが何もない。若殿(のぶさん)を気の毒に思った泥棒(伝九)が居候するようになり…
このお芝居、食事シーンがめちゃくちゃ多いんですよ
別に本当に食べてるわけじゃないんですが、
米を炊いて、魚を焼いて、味噌汁を作って、お膳に乗せていただきます…という
所作がもう美味しそう
そののどかさと2人ののんびりしたやりとりが見どころです
あと全体的に薄暗いシーンが多くて
行灯をそこかしこにつけられるほど豊かではない様子や浮世絵に見るような薄墨のぼんやりとした暗さの世界を味わうことができて良かったです
現代は明るすぎるからね
別れのシーンは一転、明るく花の散るうららかな日の中で涙…
お話としては場面転換も派手なシーンもないし地味な部類に入ると思います
だけどこの作品の良さをいつまでも忘れないでいたいな、と思いました
・3部
【袖萩祭文】
あらすじを読んだけど、前後はもうほとんどかからないらしく、端折られすぎていて難解。
十種香と違って前後半で芝居のテンションが全く違う
吃又の、死ぬの死なないのと言ってる前半から名前をもらって喜びの舞を踊る後半のギャップのような。
基本は安倍貞任・宗任兄弟の源義家への復讐物語らしい。袖萩祭文は女性の哀れさと家族の絆にフューチャーしたサイドストーリーって感じなのだろうか。
盲目の袖萩は幼い子を連れて実家の父の元へ
孫の顔を見せようとするが父は業務上のミスで切腹寸前、しかも書状からするとそれに関わっているのは袖萩の夫である安倍貞任らしい
会いたくないと言いつつも切腹の瞬間には娘と来世での再会を約束、袖萩も身の上を嘆いて自害する
源義家は現れた宗任を逃がす
しかし公家に化けた貞任は見破り、立ち回りになる
今回は幕が降りるまで袖萩も舞台上にいたけど、記録を見るとけっこう袖萩と貞任を2役で勤めているみたい
どうやって?
雪のシーンから始まるので黒衣は白衣になって登場。
(途中で祭文の弾き語りがあるんだけど、七之助さんのあて弾きの音と本当の三味線の音が不協和音で笑ってしまった)
あと父直方が切腹する時、梅の枝で腹を切ってましたが…
そんな作法あるのかな、想像するとめちゃくちゃ死ねなそうなんだけど。あと切れ味悪そうで苦しみそう😱
いやしかし種ちゃんも鷹之資さんもいるのに、後ろに控えてるだけなんてもったいなーーーい
追善てそういうものなんでしょうけど
【連獅子】
客席の期待感がすごい!
袖萩祭文の後でなんだかすごくほっとしました
今後どんどん成長していく勘太郎長三郎にお役がついていって、鶴松くんで見られそうな演目が減っていくのはしょーーーじき複雑なんですが
これは染五郎団子にも言えるんだけど、国立で見た松本幸一郎くん、なかなか見られる機会がないなあ
とにかく私はずっと鶴松推しなので。
切磋琢磨していく姿を見守ります