すきなもの雑記

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令和三年10月 国立劇場「伊勢音頭恋寝刃」

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久しぶりの国立劇場です

平日ですがけっこう入っていました

今までずっと千鳥席だったので休憩所もすごく静かだったんですが、今回からはすべての席に座れるようになっているので人が多い感じがしました

初日付近は歌舞伎座に行くから入りがイマイチ(という情報が流れてきた)だったのか?

歌舞伎が好きな人間は通しで見たい気持ちがあると思うので、ひと通り歌舞伎座を見たところで2週目以降で国立劇場行こうかなーってなるんですかね

 

伊勢音頭恋寝刃  あらすじ

1幕、今田万次郎(扇雀)が恋人のお岸(莟玉)と逢瀬の最中

名刀青江下坂の詮議のために伊勢に来ているがお岸との逢瀬にいそがしい

貢はかつての主君、今田家のために万次郎に協力することに

青江下坂の折紙をすり替えられ、それに気づいた左膳の手下林平(萬太郎)が大蔵と丈四郎の持つ密書を奪うために追いかける

日の出間近の二見ヶ浦で破れた密書をついに手にする貢だが、明かりがないため名前が読めない

貢が嘆くと鶏が鳴き、日が昇って幕となる

 

2幕

貢は万次郎と会うため油屋に通うがなかなか会えず、仲居の万野(時蔵)には恋人のお紺(梅枝)には会わせてもらえないどころか、お鹿に金を無心したと言いがかりをつけられる

お紺の面子を潰し愛想尽かしをされる貢は料理人の喜助(又五郎)の機転で、すり替えられた青江下坂を手にする

刀のすり替えが元で夜の油屋で万野と言い争ううちに貢の持つ青江下坂の鞘が割れ万野を斬る

お紺から折り紙を受け取るが刀の妖力で貢は残忍に人を斬り殺していく…

 

実際の事件と刀の紛失詮議を掛けているので、1幕と2幕でけっこう印象が変わります

2幕は夏なのにラストの刀傷沙汰が寒々しすぎて…

1幕の貢が正攻法で来るため、2幕でのえ?そうなるの?っていう感じが歌舞伎の何でもあり感を出していると思います

 

貢の職業、御師は「講」という江戸時代の民間信仰に基づく職業ですね、その地で信者を泊めたりするツアコンのような役割だったとか

大山ではまだ当時の雰囲気を感じることができます(何も知らずに大山神社に行きびびり倒した人)

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2021年、梅枝さんのいろんなお役が見れたことは忘れないと思う

きれいでかっこいい女方が似合う

私にとっては6月博多座の吃又に続いての梅玉さんとの組み合わせでした

そして歌昇さん、化粧でしっかり三枚目のお鹿に化けていました

万野がとにかく意地悪な仲居さんで、でも貢の主君に敵対する大学の息がかかっているからそれは当たり前なんですよね

前に仁左衛門さんの映像を見たときは奥庭の場の冒頭で盆踊り(?)があった気がしたんですが、どうだったかな…

早く長い芝居をフルサイズで見たいです