すきなもの雑記

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女と子供だけのサスペンス劇…令和三年12月大歌舞伎1部「伊達の十役」

2021年を締めくくる興行です

まずは第1部から。

1幕と2幕で全く趣の違う作品。

序盤メッチャ義太夫節。この調子で10役変われるの?と思って、2幕になるとあれよあれよの早変わりになります

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1幕はじっくりどっしり。

政岡は強い精神を持っていて、自制がきいて、言葉は少ないけど周りを見て立ち回れるタイプ

栄御前(中車)が去り八汐(巳之助)と一戦交えたあとの長い長い静けさが、その後の感情を爆発させた「でかしゃった」に繋がるんですね

そして歌舞伎は子役さんとの縁が切っても切れないんだなあと改めて

今年だけでも子役が重要な鍵を握る演目をたくさん見ましたが、どれも印象に残ってます

今回、千松役は市川右近さん、鶴千代役は松本幸一郎さん

10歳くらいだとむしろ成人よりもたくさんのお役が回ってくるのかも

中車さんの花道から入ってくる存在感がすごかった…!女方初めて見たかもしれない

巳っくんは声の威圧感がすごくて、機敏な立ち回りができる役者として猿之助さんから重宝されているように思います

今年は本当に歌舞伎座で大活躍でしたね

 

1幕は登場人物がほぼほぼ女と子供です

舞台はお屋敷、持ち込まれたお菓子には毒が仕込まれている。鶴千代が食べないとカドが立つが、食べさせるわけにはいかない。さあどうする…?

というスリリングな展開

所作もあろうが心理劇なのでけっこう中車さんには向いている気がする

(思えば古典って心理劇が多いかもしれない)

武将だけが物語の主人公にあらず、家を守る人たちの物語です

幕開きの女中2人(笑也さん笑三郎さん)のしっくり感がものすごくて…

セリフの流れや空気が自然だし、2人の息が合いすぎていて序盤に見せ場が来るのがもったいなさすぎました

 

さて2幕

お染の七役のような、早変わりの芸を楽しむ場面です

玉太郎さんのねずみの若衆、可愛かった〜

回るたびに尻尾がぴしぴし猿之助さんに当たってた😂

そこから本格的なねずみに交代し(めっちゃ拍手した)、ねずみがすっぽんに引っ込むと入れ替わりに弾正が現れます

子年子の日子の刻生まれの男子の血で弾正を成敗するっていう展開…あれだな。2ヶ月前に見たやつだな(岩藤)

2幕は猿弥さんと弘太郎さんが狂言回し的に大磯から鎌倉まで旅をする道中で出会う人物達の物語です

 

 

こちらは南北で岩藤は黙阿弥なんですが、演出が似てるからこんがらがる〜

ちょっと一旦四の切はさんで落ち着こう的な。

猿之助さん、2月は他の舞台のお仕事だったはずなので、空いた時間使って3月に大きいの持ってくるかもね。大きいっていうのが何を指すのかはわからないけど…

 

余談で

菊之助さんを秋口にぱったりお見かけしなかったので、何かやっているんだろうと思ってカムカムエヴリバディの出演を期待してほぼ毎日見ているんだけど全然出てこない笑

あれだけ休んでこの量?他に映画の出演でもあるのか??と思っていたら

BS-TBS|神秘と継承の世界遺産 白神山地 ~第1章 尾上菊之助がゆく 生命育む8000年の森~

白神山地に行ってらしたみたい

ずっと猿之助さんの成分を浴びていたから菊之助さんが足りない

花咲さんみたいな女方が見たい!!が、年始は里見八犬伝なので大人しく原作の勉強から始めています

忠臣蔵は特に勉強しなくてもわかるのに、里見八犬伝って何度芝居やメディアミックス化作品で見ても登場人物が覚えられない…