すきなもの雑記

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罪を償う?償わない?ウエストサイドストーリー

スピルバーグ版ウエストサイドストーリーです

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この画像、ロミジュリじゃないです

ロミジュリは昨年外部も含めて何度も見たんですが

上のダンスパーティの赤青の衣装と、リフの死〜ベルナルドの死の流れはミュージカル版ロミジュリの演出と似ていると思いました

ちなみにミュージカル版ロミオとジュリエットはロックテイストのフレンチミュージカルがオリジナル、動画サイトで検索すると違法なやつが出てきたりします(小声)…

やっぱりオリジナルはカッコイイ

いつか生で見てみたい

 

と、ロミジュリはひとまずおいて本作。

楽曲と世界観はほぼ旧作のままで、スタイリッシュで素晴らしい〜

洋品店の雰囲気が全然違っていて素敵になってました。あそこでお買い物したい。

洋品店にトニーは来ませんが、その代わり地下鉄に乗って美術館デートしてます

それ以外にもけっこうシチュエーションが変わっていたり、役の人種的ベースと役者のそれを寄せたり。

ベルナルドとアニタのダンスシーンは素敵で、ダンスのジャンルがわからないくらいいろんな要素が混ざっていて迫力。

アメリカの歌は旧作では屋上みたいな所で歌っていた記憶があるんですが、今回は交差点の大きいスケールで撮影されています

個人的にはスピルバーグがリテイクする意味あるのかな…と思いましたが、

これは歌舞伎で言うところの同じ演目における成田屋音羽屋の型の違いみたいなものかな………と。こじつけですが。

再開発が進む街の風景がフィルムに溶け込んでリアルに見えます

トニーとリフの海際の穴が空いた床を使ってのシーンは一歩間違えたら踏み抜いて落ちてしまいそう

 

というわけで映像や技術はとても楽しめました!

が…

ここからはイチャモンです

ぶっちゃけストーリー、400年前に書かれたロミオとジュリエットのほうがうまく出来てますよね…

 

まず、学校の描写一切ないのに学校主催のダンスパーティって何?相手チームが来るってわかってるのに楽しみなの?

で、トニーとマリアはそんなに目があっただけで好きになる?

その前に元カノに夢中だった話をしていたりもして、いきなりマリアの部屋におしかけるのも印象がすごくチャラい。あまり純愛じゃなくてもOKな感じ?

ロミジュリでは

ジュリエットは勝手に成金のおっさん(パリス)との結婚させられそうで本気で悩んでいる

→パリスと引き合わせるため仮面舞踏会が開かれるけどジュリエットは気が進まない

→忍び込んだベンヴォーリオとマーキューシオと諍いを起こさないためについてきたロミオ

という構図があって、見ててジュリエット可愛そうだな〜って何となく感情移入できた

ジェッツとシャークスもどのくらいのチンピラなのかがよくつかめない

決闘するってナイフだの銃だの仕込んでるのに、いざ人が死ぬと文字通り全員でお通夜になる

マリアがアニタを店に行かせるのも、恋人の死体確認したばっかりでしょしかも街を歩かせるの危ないでしょよく考えなよって感じだし、チノは半分恋人みたいなマリアをトニーに取られたのは決闘で明白なのにそこはキレないんかい、とも思うし。

 

1番ロミジュリと違うのは、ロミオはティボルトを殺した罪で街を追放されたのに対し、トニーはベルナルドを殺した罪をすっかり忘れて愛するマリアと逃げようとするところ。

「金を貸してくれ、落ち着いたら二人で仕事を探して返す、子供ができたら名前はヴァレンティナにするよ」って…

うまく逃げられたとしても破滅しか見えないやつ。。。

あと、今回はトニーが出所したてでその罪が相手を半殺しにしたため。劇中も友人のリフが刺されたのを見てカッとなったためベルナルドを刺し殺す

事実だけ並べると「イケメンで背は高いけどキレたらやばい奴」なんですけど…

まあ、国によって価値観って違うからね!