春。忙しくしている間に4月は通り過ぎますね
1部「天一坊大岡政談」
※後の自分のために雑記。黙阿弥の本外題は「扇音々(おおぎびょうし)大岡政談」(黙阿弥全集春陽堂版の11巻)。ちなみに「天日坊」の本外題は「吾嬬下(あずまくだり)五十三次駅」(春陽堂版の27巻)
地元の図書館では春陽堂版黙阿弥全集は貸出不可で閲覧のみだそう。大正時代の出版なのでやむなしだけど、古い書籍が出てきたところで読める気がしない…代わりと言ってはなんですが、BS松竹東急の開局に合わせて「東海道四谷怪談 北番」の放送があったのでまたも南北の戯曲と併せて見てみます。衛星劇場でコクーン歌舞伎の南番を見て、北番が見たいけどあんまりかからなそうだし花形は南番だしな、と思っていたら奇跡的に放送してくれたので嬉しい
嬉しいといえば、前の仕事先のお客さんにコクーン歌舞伎の「三人吉三」を貸したところ、なんだか響いたらしい…「DVDの感想を述べる会をしましょう」と言われたので次のチャートを考えています。役者ルートなら鰯売か浦里か星野屋のハッピー歌舞伎3部作で、演目ルートなら「桜の森の満開の下」か「マハーバーラタ」か「夏祭浪花鑑」かなあ。古典一幕ものなら四の切か義賢最期か渡海屋大物浦か…ルーツになった八百屋お七も勧めたいけど、これらは私が円盤を持ってない泣
話がそれました。コクーン歌舞伎の天日坊は原作を読んでいないまでも、諸国漫遊の風情がありましたね。今回の天一坊大岡政談は「大岡裁き」に焦点を当て、ふてぶてしい天一坊&弁の立つ伊賀亮との攻防を描きます
ただ、後半で伊賀亮と妻(せっかくの笑也さん)がまさかのナレ死ならぬ台詞死(観客に台詞で死を知らせる)。前半は法澤の成り上がりストーリーで天日坊とほぼ同じ。中盤でお白洲の問答があり、これが天日坊では終盤の大江広元との問答に当たります
問答といえば前回能を見た記事を上げましたが、土蜘蛛では台詞をかぶせて言っていました。それを見て初演の天日坊を思い出し、もしかしたら初演の問答の演出は能を意識していたんじゃないかと。
天一坊大岡政談の見せ場はストーリーの面白さ
法澤がどこにでもいる一般人だったのが、お三婆殺しから転がり落ちるように罪を重ね、ついに全てを騙し通す覚悟を決める点
伊賀亮が言葉巧みに大岡を言い負かす点、愛之助さんかっこよかった!
天一坊の正体を見極められず大岡親子が切腹するギリギリで駆け込んでくる池田大助…見ている人もまだなの!?となる
白州でちっちゃくなってる久助、ほんとにちっちゃくて可愛かったので見てしまったよね…巳っくんは天一坊役者だと思うので是非見たいですね、最近は猿之助さんと割と共演が多く嬉しいです
双子みたいな猿弥さんと青虎さんも可愛かった(可愛がってはいけない)松緑さんと対面で書状(だったかな?)をやりとりするの、緊張感がありました