あじさいの色合いの優しげな6月のチラシ
今月は1部
車引
です
まず車引についておさらい
菅丞相が太宰府に流されたのは自分のせいだと悔やむ桜丸が兄の梅王丸に語っていると、元凶である藤原時平が参拝へやってくる
仇を討とうとするが、時平の舎人である兄松王丸に静止され後日の再会
車引には思い入れがありまして…
歌舞伎に興味を持った2020年3月のこと、明治座で車引がかかることになっていましたが公演は中止。代わりに出演予定だった歌舞伎役者さんが演目についてお話する様子が期間限定で公開されていました
この裏側トークみたいなのが面白くて、再開したら絶対歌舞伎見に行こう!という決意をしました
巳っくんはこの時梅王丸を務める予定で、差した刀の長さや衣装が重いことを教えてくれました
で、改めて今回舞台で見ると…冒頭の傘がやたら大きくて、衣装も刀もお話の通りで…なんか等身がおかしい笑。ゆるキャラの等身なんですよね。それでいて真面目に桜丸の話聞いてるから、とっても可愛かったです。
これなかなか面白かった!
猿之助さんと猿弥さんが意外と二人で舞台にいる時間が長く、特にむちゃくちゃ動く猿之助さんと対等に動ける猿弥さん、すごいなと改めて思いました。衣装もメチャ派手だった。古典じゃなくても歌舞伎って衣装豪華ですよね。宝塚よりすごいのでは?と思うときがある
台詞は義太夫さんらが言うので普段の演目とは違う感じ。演奏は胡弓と琴があったと思います。後半は澤瀉屋いつメン+右近くんなんですが、時間が短くてもったいないよーーー!
毎回言ってますが、笑也さんと笑三郎さんの女方が麗しすぎるのよ。右近くんはめちゃくちゃ孫悟空の猿で如意棒ぶん回してて(歌舞伎の演目ってけっこう棒使いますよね)、青虎さんは紀尾井町家話で猪八戒じゃないの?って突っ込まれていましたが沙悟浄で。本当に澤瀉屋は今すごい。
舞台としての見どころを前半の酔っぱらい舞踊と後半のアクションに持ってきたのがうまいです。今回は立ち回りでお弟子さん以外にスタントの方が入っていて、お客さんはやっぱりそれで沸くじゃない。技術を外注してきちんと見せて、歌舞伎的立ち回りはお弟子さんたちが呼吸ピッタリで合わせていて、作品として良かったです。千穐楽は拍手がすごかったらしいけど、私が行った日もまあまあすごくて、でも気持ちはわかる。
色んなお家を見てるとそれぞれ特徴があって、どこのお家が一番とかじゃなく方向性が違っているので、それこそ「みんな違ってみんな良い」んですよね。
例えば当たり役として1つの演目や似たような演目をかけ続ける家もある。それはそれで良くて。猿之助さんは、やったことないことをやってみる。ギャップを見せる。自分も飽きないように変化を求める。そういうのが性に合ってるんだろうな。