すきなもの雑記

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ルドルフ、愛に没頭してないでさ… 宝塚花組「うたかたの恋/ENCHANTEMENT」

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宝塚のお雛様は7段!

花組は2021年のアウグストゥスぶりです。当時の記事読み返したら、生でショーを見た初めての公演だったみたい…!

ここまで、ハイロー、ディミトリ、応天の門と「THE西洋」という題材ではありませんでした。今回花組を見て、宝塚の美術・セット・小道具・衣装は西洋を題材としたときに本領発揮するのだなと実感。果たしてこの素晴らしいセットや衣装を他の劇団が用意できるでしょうか…

まず美術。ルドルフがマリーにマイヤーリングの風景の美しさを聞かせるシーンがあります。紗幕に映し出される映像が印象派…というほどではないけど牧歌的なタッチで素敵でした。中盤の広場?みたいな踊り子たちの登場する場でも同じようなタッチで描かれていて悲壮感と逆行しているような感じで良かったです。印象派は物語と同年代にフランスで起こった芸術運動だそうで、色々と意識していたのかも?

次にセット。柱や窓枠は凹凸のあるゴールドの質感で重そう。テーブルや椅子もおそらくきちんと保管してあるもの。そもそも冒頭の超有名な「マリー、来週の月曜、旅に出よう」も階段一面ベロアの生地で覆われていて視覚的に美しい…!あと、酒場(ホイリゲ?)の盆を斜めにして、喧騒がわずかに残る中でのルドルフのセリフ。後ろではずっと群衆がお芝居してるんですが、それがとても良かったし現代的な演出っぽく見えました。

マリーの衣装はとにかく全部可愛くて、特に初めてルドルフとふたりで会った時のすみれ色のドレスの色味がまどかちゃんに似合ってました

今回記事を書こうと思って人物を調べたら、マイティのジャン・サルバドルは確かお芝居で船でアメリカ(だっけ?)行くって言ってて、史実では翌年船の事故で行方不明に。ひとこちゃんのフェルディナンド大公と美羽さんのソフィーはその後サラエボ事件で亡くなるお2人なんですね…!サラエボ事件第一次世界大戦の流れはキングスマン ファーストエージェントを見て記憶に残っています

ルドルフに関しても、エリザベートで厳しい教育を受けていたシーンがあったような…?(金色の砂漠と混ざっているかも)この反動で自由主義に共感していくというのが何だか皮肉です。

で、この「マイヤーリング事件」は暗殺疑惑や実は心中の第一候補は別の愛人だった疑惑があるんですね。再演なので無理だけど、愛の物語にするより真実はこうだったかも…っていう路線の方が私は好きです。かくれんぼとか、何しとんねん…って感じで見ていたので…愛にそこまで没頭されると、庶民としてはオイ政治しろよ!と思ってしまいます。マリーへの愛だけが新時代への理想を追い求めるルドルフの安らぎの場所だったということでしょうか…

 

ショーは「ENCHANTEMENT 華麗なる香水」ということで、柚香✕水美で「香水」ショーなんて野口先生発想がすごい。

私は花組より先に月組の「Deep Sea」を見ていて(東京も見たら記事にします)、軽く触れておくと、衣装のセンスの無さに驚き、花組の衣装は素敵なのにな…と羨ましく思っていました。しかし、映像で見ていなかった部分があまりにもシンプルすぎて。黒のぺらぺら上下に3連パールネックレスつけただけ、私服みたいなマリンルック、シャツイチにラインストーン貼っただけ…みたいな。

対照的にプロローグのドレスや柚香さんの黒地にゴールド刺繍のジャケット、まどかちゃんの星座柄のドレスやデュエットの衣装は良かったので群舞や下級生の衣装との差を感じてしまいました。

一番印象に残ったのは衣装のことだったんですが、スターさんでいうとほのかちゃん。歌がすごく安定していて、声が太くて大きい。踊りは元々好きで、ちょっとした時に首を横に振るのがめちゃくちゃかっこいいです。ひとこちゃんはほのかちゃんより細く感じるけど、彼女の繊細さが伝わってきてひとほのでワンツーになったら良いバランスになるのではと思いました。黒燕尾でアドリブ考えてる(?)ひとほのがめちゃくちゃかっこよかったです

ひとこちゃんにすごく雰囲気の似てる方がいておそらく侑輝大弥くん。彼女も雰囲気がめちゃくちゃかっこよかったのでこれから上がってくるんだろうなと思いました。