すきなもの雑記

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アメリカショービズの歴史を学ぶ GYPSY@東京芸術劇場プレイハウス

現在につながるレビューやショーやアイドルの形。元をたどるとどこへ行くのでしょうか。その源流とは?

実在のストリッパー、ジプシーローズリーの回顧録から母を中心に据えたミュージカル。初演は1959年で何度も再演されているようです。リーが40代で作られているのだからはっきりとした結末がないのでしょう。ローズは思春期の子供を持つ母なので舞台の大部分は40歳くらいでしょうか。恋人もできるのにあまり美化はされていない生活に疲れた感じ。初演から時も経っていますし現代の表現だと単純に毒親だな〜と感じてしまいます。

大竹しのぶさんほど真ん中に立って集客できる同年代の女優はいないでしょう。ただ、ウエスト・サイド・ストーリーのような独特の音階で歌唱も多くて大変そうでした。娘役の生田絵梨花さんと熊谷彩春さんは歌い慣れていてデュエットも伸びやか。特に熊谷さんは四季でも宝塚でもないんだって。劇中でトウシューズも履いていたし爽やかで良かったです

 

さて、今回のストーリーで出てくる「ボードヴィル」と「バーレスク」について。

どちらもヨーロッパ発祥で風刺や見世物というような意味合いのものだったのが、アメリカに渡る。

「ボードヴィル」はフィルムに記録されるようになり、トーキーの隆盛によって廃れていく。一方「バーレスク」は演芸とストリップをセットにしたショーとして1940年代まで人気があったそうです。キレイで際どい衣装を着てセクシーに踊るというよりはにしおかすみこみたいな感じだったんでしょうか。昔は芸と笑いは根幹で繋がっていたんでしょうね。宝塚が大体100年前なので源流はこのあたりなのかも。

さらにさらに年代でいうと、ギャツビーの時代にはこういう遊び場もあったということなんですね〜。

ちなみにグレート・ギャツビーに出てきたジーグフェルドフォリーズは1930年代まで続いたブロードウェイのレビューのことで、これはフランスのフォリー・ベルジェールというミュージックホールを参考にしており、そこにはロートレックが出入りしていたらしい。ロートレックといえばムーランルージュにも出入りし、ピガール狂騒曲の舞台にもなりました

wikiにはジプシーローズリーはスペインの人民戦線運動の支持者とあり。これは突然のネバセイ。世界はひとつなんですね

プレイハウスの雰囲気が舞台によく合っていて良かったです