すきなもの雑記

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クライドになぜ惚れたのか…ミュージカルBONNIE&CLYDE@シアタークリエ

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雪組で上演したBONNIE&CLYDEのホリプロ版を見てきました

雪組の記事はこちら


シアタークリエは日比谷シャンテの地下2階直結なんですが、地上に上がると東京宝塚劇場のお向かいなんですね。幕間に上がるとちょうど宙組公演が終わって人が出てきていました。そして地上階には菊田一夫小林一三翁の胸像が。しかも一三翁は朝倉文夫作らしい

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なんとマニアックな…と思いつつ、ここを訪れる人は意外と知ってるんでしょうね。今回はボニーに海ちゃん、ブランチにくらっち、母親役に霧矢さんという宝塚的にはおいしいキャストとなっております


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歌唱はくらっちに軍配が上がるものの、海ちゃんのスタイルや華やかさは健在だった。ラストでクライド役の矢崎さんが泣きの演技だったのに対し、海ちゃんはからっとしていてかっこ良かったです。前回雪組の時にちらっと書いていますが、これは「三人吉三」の価値観に似ていて、はなから幸せな最期なんて無いんですね。地獄しか。それがわかりつつも袋小路に向かってがむしゃらに走り続けることにカタルシスがあるので、愛した男と太く短い人生を終えるなら本望という後悔のない心境に共感を覚えました。で、ボニーにとってクライドのどこがそんなに良かったのか…という点について、刑務所で傷付いたクライドの姿がボニーの保護欲を誘ったのかな…と思いました。それまで、不遇な身の上とは言え境遇に反抗せず罪を償うべきだという主張のボニーが、あそこで翻りましたよね。クライドへの単純な愛でだけなく、金や権力に踏みつけられてきたプライドや自己を投影したのかなと個人的には思っています。

話は逸れますが、ミュージカルの同時期にLE SSERAFIMが「HOT」という曲をリリースしていて、その中でBONNIE&CLYDEという歌詞が出て来るんですが、「わたしらしく生きられるなら灰になってもかまわない」というような歌詞で、グループの強さともマッチしていて良いと思いました