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役者がおかるを輝かせるのか?おかるが役者を輝かせるのか?三月大歌舞伎「仮名手本忠臣蔵」

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このチラシの左上だけが単体で欲しい

さてタイトルの通り、これまで何度か七段目を観てきて「この役者さんおかるがニンじゃないなー」って思ったことがない。誰が演じてもキュートで情のある人物像なのは変わらない。今回の通し私が見たのは時蔵さんのおかるでしたが、時蔵さんは寺子屋の千代とか伽羅先代萩の政岡とかが似合いそうなイメージなのに、おかるもとても良かった。そもそも真ん中の役だから誰がやっても上手いのはそれはそう。あと今回の通しは巳之助さんが出まくりだったので良かったです。役者の人数で考えると9,10月も出てくれるとは限らないですもんね。平右衛門はもう正にという感じで良かったし、道行の鷺坂伴内もばしっと決めていました。道行だけBプロだったんですが、レビュー記事でとんぼ決めてるって書いてあったので慌ててお切符を取りました。らぶさんが西遊記のアンコールでバク宙していたのは見たことがあるけど、歌舞伎の舞台でとんぼ返ってる役者さんは意外と見たことがないです。家話で伴内のお写真も見せてくれてました。紀尾井町家話といえば、巳之助さんが出演した回は松也さんと萬太郎さんで役替りの裏話などをしてくれていました。

Aプロは若狭之介が右近くんで、これがキレまくってて良かった。芝翫さんの師直も良かった。芝翫さんはこういう役バンバンやってほしい。世代の役者さんがあまりいないので。菊之助さんはまあ判官がお似合いですよねという感じで、四段目の由良之助もてっきりらぶさんだと思っていたら松緑さんの声がしてきてびっくりした。四段目の近習は夜の部の役者さんが務めていてならびがとても豪華だった。あと確実に「仇を討て」と判官が言っていて、なるほどなあと思った。その遺言を果たす「忠臣」蔵なんですね