すきなもの雑記

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最終兵器は息子…令和四年3月国立劇場歌舞伎公演「盛綱陣屋」

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前置き。

国立劇場、どの駅からも微妙に遠いですよね

半蔵門駅が最寄りですが(よく見ると改札に国立劇場の鶴マークあり)、周辺にショッピングビルなどはありません

しかしながら国立劇場は12時に開演するため、なにか食べておくか休憩30分の間になにか食べる必要があります。お腹なるからね。

国立劇場入って左、1階の売店で売ってる田酔のお弁当がコンパクトで昔ながらのお弁当って感じがして好き。銀しゃり弁当、焼鳥弁当などあり。

半蔵門駅からの道すがら、裏通りにカフェパスクッチというイタリアのカフェがあります、海外の方も多くて雰囲気が楽しいです

だいたい開演の30分前くらいに着いてパニーニセット(スープかサラダ付き)で一息

カウンターではテイクアウトスイーツが売られていて、どでかいドーナツがガラストレーに収まっています

なんだかヨーロッパっぽい風景でときめき…

 

さて今月は盛綱陣屋の前に萬太郎さんの歌舞伎の見方があります

萬ちゃんの解説はなめらかで声も聞きやすい。盛綱陣屋が作られた背景と現在との親子観の違いを解説してくれます。

昨年秋に同じ演目を幸四郎さん主演で見たのでした

前回は東の席で小四郎の切腹以降が全然見えんという事態。今回は国立劇場ということで3階花道上の席にしました…というか、国立劇場で見るときは大体ここです。広く見渡せて、歌舞伎座と違って花道を去る役者さんの顔が見える、周りに人がいないというダイスキ席です。これで3000円なんだから安い(どこかで聞いたような笑)

 

今回改めて思ったのは、場面ごとの雰囲気の移り変わりがピアノソナタみたいだなって。

第1楽章で主題、第2楽章で少しトーンダウン、第3楽章で旋律の展開、第4楽章で再び主題、という流れが一般的だと思っているんですが盛綱陣屋はそんな感じ。

冒頭で盛綱、和田兵衛が登場し主題を提示。盛綱が去り、微妙と小四郎の場は繊細な心情を描き、信楽太郎と矢吹藤太が登場して展開、最後の場は時政と首実検、小四郎の切腹で主題にきっちり決着をつける…と。

今回は篝火が梅枝さん、早瀬がまるる、藤太が種ちゃん、信楽太郎が萬ちゃん…と脇役もオレ得配役になっております

萬ちゃんの舞が良かった!その後の種ちゃんの空気読まずな藤太を見る早瀬まるるが(で、アンタ誰!?)って顔をしてたのが良い

吉弥さんの微妙は3婆の婆感よりおばあちゃまって感じで小四郎とのやり取りが優しく、より切ない心情が迫ってきました

小四郎の丑之助さんは長い台詞も何のそので頼もしい、大晴くんも長い場をきちんと座ってました

 

とはいえ、この物語の本質は佐々木高綱はもともと贋首を作る気でその信憑性を高めるために小四郎をヒューマンボムとして盛綱陣屋に仕向けた、小四郎の自死という一世一代の演技を盛綱が無下にできるわけがないから…というもの。

やっぱり歌舞伎って深いなあと思うのでした