ぶらぶら美術博物館で紹介されていた際には土蜘と頼光四天王あたりがフューチャーされている展示のかなと思っていたんですが、どっこい歌舞伎のオタクにはそこはかとなく刺さる展示ばかりでした
THE HEROES展は正確にはボストン美術館の日本関連の収蔵品の展示で中でも今回は武者絵と刀剣にスポットを当てています
蒐集した人物の審美眼の見事さよ…!細かく書き込まれ、漢字が使われ、鮮やかな発色の錦絵がお好きだったんでしょうね、そういう意味では似たサイズの作品が多く展示が単調なので(浮世絵の展覧会の時などにもありがち)興味のない人は途中で飽きちゃうかもしれない…
大河ドラマの登場人物に関する展示もあるので、一般の人が興味を持って見てくれているといいですね。日本刀のカテゴリもあり賑わっていました
※場内は一部を除き撮影可能
もっと質素な船で落ち延びてると思ったらこんなに豪華絢爛とは…
平家終焉とのミスマッチさが衝撃で、安徳帝の表情もなんとも言えないのよ、美術館で泣いたの初めてかも
平家物語はたくさんの場面が展示されており、みんな大好き四の切の佐藤忠信や大物浦の知盛や義仲巴御前もありました
寿曽我対面の舞台「巻狩」って一体…?と思っていたのも、わかりやすく描かれていたのでより鮮明になりました。対面では描かれていない場面もあったりして、兄弟の解像度が上がった気がします
さて、頼光四天王(+平井保昌)は大江山酒呑童子や土蜘といった妖怪退治が主流なのでどちらかというと奇をてらったような怪異の描写が秀逸です
袴垂保輔が平井保昌を物陰から追うものの隙がなさすぎて気がついたら屋敷まで来ちゃってたり
平井保昌はキャラクター的にはスッ…とした感じにとらえられてたんでしょうかね
この2人といえば昨年1月国立劇場の
「四天王御江戸鏑」
頼光四天王も出てきます
展示の後半に書き物(フィクション)の錦絵コーナーがあるんですが、ここには平良門と滝夜叉姫の作品があります
この一番左の良門がいい男でまた。それこそ、いい景色だねえ…です
あまりに良すぎて、普段は買わない図録の購入がここで決定
椿説弓張月の為朝もめちゃかっこよかった
画面の左下に刀を下ろす構図が武者絵として一般的なんでしょうか、よく見かけました
そしてそして太平記…!
しかも楠木正行の幼少期というマニアックなチョイス
楠木正行といえば月組の「桜嵐記」ですね、幼少期も劇中に出てくるのでちょうどこれくらいの歳の頃だろうか
というわけで、全てのカテゴリが刺さるという状況となり単純に頼光四天王の女を名乗る場合ではなくなってしまいました
図録の他にグッズも、自分にしては珍しくイロイロ買い込んだし、5月には土蜘もあるので四天王オタク的にはグッズ披露の場があるんじゃないかなと思ってます
六本木系の展示は趣向に走りすぎていてピンとこないことが多いんですが、今回は楽しめました