すきなもの雑記

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令和三年12月大歌舞伎2部3部

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年の最後に12月大歌舞伎の2部3部を見てきました

あまり見ない座組で新鮮です

 

2部

夫婦道成寺

ぢいさんばあさん

 

勘九郎さん(中村屋) ✕ 尾上右近くん(音羽屋)、

勘九郎さん ✕ 菊之助さん(音羽屋)、という組み合わせ。

夫婦道成寺は、道成寺レギュラー陣の聞いたか坊主が聞いたか強力(旅の荷物を持つ従者の事らしい)として登場。

最初に赤い衣を着た花子✕2が出てくるんですが、

後見さん一人でやるぶっ返りを初めて見ました!

最初は「着物の糸ほつれてる?」って思っていたんですが、振り返るごとに少しずつ糸を引いていって、最後の一本できれいに脱がせていた

そういえば、よく見る後見さん2人でのぶっ返りって、パタンと折り返るだけで衣を脱いではないですよね

 

鶴松くんの浦島は、暗転中だったけどきっとこのぶっ返りパターンだったんだろうと。この早着替えをぶっ返りと呼ぶのかは不明ですが。

 

さて、ぢいさんばあさん。

勘九郎さんと菊之助さんの男女役を初めて見た気がします

寄り添っていちゃいちゃするのが可愛らしい

甥夫婦に右近くんと鶴松くんという組み合わせも珍しく、お似合いだった

何度でもいいますけど、わたし鶴松くんの女方大好きなんですよ

普段は普通の青年だしそんなにべっぴんさんなわけでもないのに(オイ)、大好きです

そしてもちろん菊之助さんの女方も大好きなんですが、今回初という老けがびっくりするくらい誰かわからなかった…!

顔もそうなんですが、一番は声。

30年経っていたら、さすがにすぐには奥さんだってわからないかも。

そして、あんまり得意な系統じゃないストーリーですが案の定泣きました。

鴨川の川床で桜を散らすのがとてもきれいだった。

 

3部

吉野山

信濃路紅葉鬼揃

鬼揃の松羽目の松に紅葉が絡んでいて美しい

始め花道から出る玉様御一行が幽玄で息を呑む美しさでした

ここからはわたしの気のせいかもしれないと思ってお読みください

能ベースのせいか舞台上のあちこちで船を漕ぐ人が続出。最初は具合でも悪いのかと思って驚いたけどそうではないらしかった

私のオペラは誰か寝てないかチェックするのが面白くなってしまって…

七之助さんは舞台の進行上寝始めるし山神の松緑さんが起こしても起きないし笑

ちなみに観客も沈没かなぁと思っていたら3階は9割くらい起きてました

 

 

山神は鏡獅子や操り三番叟と同じく見ていて難しそう

リズムを打ちながら棒を持っているので勤められる人が限られそうだなあと思いました

 

今年は代役はあれどチケットを払い戻すようなこともなく歌舞伎の観劇ができました

面白かったのは1月国立劇場の四天王御江戸鏑、

おやじさま面白くて最強、菊之助さん美しい、話が面白い、こういうのが見たい〜と思わせられました

5月のコクーン歌舞伎 夏祭浪花鑑も良かった

徳兵衛とお梶にはどきどきした

歌舞伎座は古典1場と舞踊での構成が多かったけど

義賢最期のお万姐さんに惚れた、幸四郎さんも良かった

梅枝さんと新悟さんのお役の細やかさがよくわかって、特に3月あたりに馬盥と絵本太功記の尼崎閑居の場が続いたのが私の理解に繋がったように思う

子役は寺嶋真秀くんの土蜘の太刀持ちが良かった

松本幸一郎くんや市川右近くん、勘太郎くんや勸玄くんなど、10歳くらいの子役さんがたくさんいるので今後の成長や競い合いも楽しみ

女方は右近くんの活躍も印象的で、お嬢吉三もあったけど八百屋お七の火の見櫓は絵画を見てるみたいだった

米吉くんの小平次外伝のおまきはなかなかクレイジーな役作りで良かったし、2021年の全てが可愛かった

澤瀉屋の場合は長い演目をダイジェストで1部内におさめるということに活路を見出したみたいで、岩藤、義士顔見勢、伊達十など現代の舞台フォーマットに合わせてきていることを実感しました