すきなもの雑記

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風間さん、基経どこやったの?宝塚月組「Deep Sea―海神たちのカルナバル―」

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私がショーを初めて見たのは開幕2日目で、本当になんの情報も入れていませんでした。なのでチョンパで衣装があらわになった瞬間爆笑。

なんじゃあれ。れいこさんの頭についているのは何?プロローグのデュエットも体の揺れに合わせて雉羽根がついてきて面白いんだけど???続いて真珠の場面、じゃんけんでまとめるの?謎すぎる??中詰冒頭のじゅりぱるあみの謎の歌???まーじでーーって何????という感じで…

果たしてこのショー3ヶ月通えるのか?と見ながら本気で思っていました。

プロローグの衣装は色のバランスが悪くて、同じくゴテゴテだったジャガビーの方がまだ好きだなと思いました。しかし衣装が全編新作だったジャガビーに対し、Deep Seaはプロローグ以降は使い回し衣装になるので徐々に宝塚のショーっぽくなっていきます。じゃんけんも、公演が進むにつれてバリエーションが増えSNSも賑わっていました。一人で抱えるには謎展開でしたが、みなさんが楽しんでいるおかげで私も気が紛れました。中詰の楽曲がブロードウェイミュージカル「Out Of This World」を使用しているということで、たまたま利用しているサブスクにアルバムがあり聞いてみました。中詰の曲はどれも素敵でアルバムに忠実。謎歌詞の冒頭も、東京に来た時には歌唱にまとまりが出ていて、ぱるくんが意外にも声デカの系譜。あみちゃんがきちんとまとめていてコミカルな中詰の入りになっていました。中詰の衣装は色は華やかでデコラティブで、そこにトップコンビが黒メインの衣装で真ん中に立ち、バランスが良かったです

中詰後に若手で1場面を繋ぐと、月城鳳月風間による秘密の花園の場面になります。

まずは風間さんの歌唱がすごい。途中でカゲコが入ったかと思うほどの高音パートがあります。前回のブラックジャックの曲でやたら難しいれいこさんとのデュエットがありましたが、あれも高音部の音飛びをぴたりとはめていて。風間さんは高音がすごい。そして盆が回ってちなつさんがドレスだった時の興奮たるや。男役同士だから遠慮する必要がないのか、れいこさんの目が本気と書いてマジでしてね…

川霧の最後で海ちゃんに向けていた焦がれて焦がれてどうしょうもない相手を目の前にしたあの感じ、でした。演出も海の底に沈んでいくっていう感じでふたりでせり下がっていくのが退廃的で良かったです。無粋ですけど、あんな感じでせり下がってんのに次の場の早替えに向けてダッシュで階段昇るのを想像すると面白いです。情緒どんなよ。

中詰〜秘密の花園が見せ場の連続すぎて、その後のマントルとフィナーレ群舞がちょっと薄くなっています。

フィナーレのベサメ・ムーチョのスペイン語詞はすごくかっこよかったです。白い衣装でまとめたのも華やかでいいと思いました。男役の衣装はトップスの裾にボリュームのあるタイプ。回るとシルエットが綺麗です。このあと、デュエダン衣装替えの前にちなつさんセンターの「シボネー」が、また素敵な曲です。陽気でいながらかっこいいメロディ展開の曲です。そしてデュエダンではこれまた大好きな「黒い瞳」。いきなりのロシアですが。曲はともかく、社交ダンスのラテンイメージでしょうか。海ちゃんの衣装が感動するくらいシルエットにフィットしていて美しい。DreamCaserでも珠城さんとミロンガを踊っていた海ちゃんの素晴らしい足さばきを堪能できます。そして、エトワールもう始まってるよ…?というところまで引っ張る余韻。何も知らない人が見たら月組のトップコンビは仲が悪いの?って心配になってしまうかも。そのくらい丁寧に感情をコントロールしています。

ショーも結局かぶりつきで見てしまうわけですが、やっぱり風間さんのお芝居との豹変具合ににっこりします。舞台で自分をどう見せるかと考えたときに、最大限真ん中を盛り上げ、客席を釣り、おおらかでいるという答えを出したのでしょう。別にそういう性格だからそうしているわけではなく、舞台上の自分の立ち位置ではそうすべきだと思っているのだと感じられます。でもその前に、私が最も風間さんに信頼を置いているのは気持ち…というか気合いをどんな舞台でも見せてくれる所です。技術より前に出てくる気合いのパワーにこちらも元気をもらっています。最後は技術どうこうよりも気持ちなんですね。なかなか見えづらい部分ではありますが、できる限り文字に残していきたいと改めて思いました