すきなもの雑記

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国宝・燕子花図屏風@根津美術館

春の陽気に誘われて、根津美術館の燕子花図屏風を見に行ってきました

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最近の私の流行りは「発注者の気分になって屏風を見る」。インテリアにどう合わせよう?とか、絵師ありがとう〜めっちゃウチに合う〜〜!とか勝手に妄想してます。

さて燕子花図の前に喜多川相説の四季草花図もあるんですが、これがめちゃくちゃ素敵。繊細で琳派独特のレイアウトです。これと比べると、燕子花図屏風は繊細さに乏しいんですね。近くで見るとほぼ塗り絵みたいなの。それでも、ビビッドな配色と連続するが規則性はない配置は遠目で見ても感動します。これを贈られた主人は本当に感動したんじゃないかな。ちょっと現代のデザインにも通じる潔さが見えました

次の間には大きな伊勢参宮道中図屏風があります。これ、見始めたら時間溶ける。店先や人々の様子、服装など細かくて、こんな風に旅ができたら楽しいだろうなあと思いました

正直に言うと、根津美術館は展示室によって内容がぱっきりとわかれており、特別展の作品数は意外と少ない印象。しかも常設は仏像、中国青銅器、茶の湯なので変わり映えを感じにくく、イツメンだな〜と思ってしまいがち。庭園と物販の充実度に左右される面があります。雨の庭園も素敵ですけど、時間を取って散策するなら晴れている方がいいですよね。さて、その庭園に出ると燕子花が咲いており。

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燕子花ってあまり見頃に出くわしたことがありません。こんなに咲きそろっているのを見たのは初めてかも。新緑は東京の表参道だということを忘れさせるくらい庭園を覆っていました

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自然には自然の美しさが、芸術には芸術の美しさがあると一石二鳥の気分を味わいました