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ほんとに全部見た?「重要文化財の秘密」国立近代美術館

東京近代美術館は竹橋のほど近くにあります

特別展は地階。常設展は(おそらく)展示内容を変えながら2〜4階です

重文指定の歴史と傾向についての年表が面白かったです。確かに芸術の選別なんてする側の好みでしかないですよね。欧州留学などの要素も加味されていたようです。

今回の目当ては川合玉堂の「行く春」。
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f:id:em378794:20230320004039j:image(本作品は撮影可)

山種美術館は小品が多いイメージなのでこんなに描き込むんだ!という驚き。桜は鮮明で、まるで貼り付けてあるような筆の跡です

ただ全体が青いので、畳の部屋には合わないかなとか勝手に思ってました。

この先にあるのが平福百穂という画家の「豫譲」という作品なんですが、これがすごい。畳の部屋に置いたらバチッと合いそうな感じがしました。仇と主人公が左右の隻に分かれ、余白が生む緊張感と黒い馬の躍動が良い。このコーナーの展示だけで1時間は楽しめます。特にこの日はさーっと通り過ぎる客は少なく、じっとして動かない、あらゆる角度から見る、何度も戻ってくる、等作品から何か得ようとする客が多く親近感を持ちました。ある程度空いているからできることですね。

ではここで、撮影可能だった鈴木長吉の「十二の鷹」です

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しかしながら、ハイライト展示ではあるので見たことがある作品もあります。

大観の「瀟湘八景」等は成立ちがわかると更に面白いので重文だけど単独で並べちゃうのはもったいないなあと思いました。板谷波山も見たばかりで、同じ陶芸家の作品が並び、掘り下げることによって得られる感動もあります。

ミュージアムショップは黒田清輝の「湖畔」推しだったので本気で、見逃した!?と思いました。(会期外だった)

常設展の春まつり企画も見ました。企画展に常設展に、何ならお隣の毎日新聞社のレトロな地下でご飯食べるくらい時間を使って堪能したいですね