すきなもの雑記

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杉本狂言と「やまと絵展」@東京国立博物館

大和田さくらホールでの杉本狂言に行ってきました

杉本狂言 本歌取り | 小田原文化財団

アーティストの杉本博司氏がプロデュースする公演ということで、演目は「附子」と「茸」。本歌取りということで、トーハクやまと絵展で展示されている土佐派の松の屏風絵を布に写して背景にしていました。普段の古典芸能の観客と違い、アート関係のファッショナブルな方が多いように見受けられました。

で、週末にトーハクのやまと絵展へ。日時指定でありながら全く埋まっておらず意外。

やはり比べてしまうのはこれ。

たしかこの時は2400円だったんです。

今回は2100円で値下がりしていて意外でした。しかし展示を見るとそれも納得。平安〜室町の時代設定にしたのも作品数と関係があるのかなと思ったり。聖徳太子図から百鬼夜行絵巻、鳥獣戯画とかなりバラエティ豊かで、うがった味方をするととりとめがない。サブタイトルの「受け継がれる王朝の美」というのがちょっと言い訳じみて聞こえるラインナップでした。現代では狩野派琳派が華やかで人気。しかし今回は土佐派の作品が多く、朝廷絵師の絵巻物の繊細さや資料的価値としての重要性が伝わってきました。厩図屏風は一見するとモダンに感じられる構図。吉野図屏風は桜の華やかさと静謐さと少し翳った金色に侘しさもあり正に「桜嵐記」の世界でした。

展覧会も値上がりが激しい中、今回の展示はお値打ちです。土曜の夜の会場も空いていて良かったです