すきなもの雑記

話したいことを話したいだけ

佐々木、イン、マイマイン

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なんとなくうまくいかない現在と

無敵だと思ってた学生時代と。

味気ない会話と何気ない会話で時間をつなぎ、佐々木と主人公たちの関係を振り返っていきます

 

実写の映像なのに、まるで福島聡であり豊田徹也であり黒田硫黄の紙面だった

ラストの展開は福島聡。現実と虚構が説明もなくないまぜになる、熱情のもたらす力技。

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台詞回しと空気感は豊田徹也。何気ない言葉と工場、居酒屋、夜明けの部屋の温かくもあり寂しくもある感じ。

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そしてラストの作画は黒田硫黄の筆致。力強さと荒唐無稽さ、構図もばっちり想像できた。

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たぶんラストシーンについて疑問を持ったり受け入れられない人は上記作家の作品を読んだことがなかったり好きじゃない人なんだろうなと思います

ラスト1分の展開、私は大好きです

 

 

しかしながら…

漫画を読まなくなって随分たったもので。

社会人になって新刊が出るスピード感についていけなくなったのもあるし、フィクションに対する感度も鈍くなった

だけどこの映画を見て、中学の頃ブックオフで夏の通り雨の音を聞きながらビームやアフタヌーンが描く不条理や言いようのない気持ち悪さ、勧善懲悪ではない世界の洗礼を受けた頃のことを思い出した

それが私を私たらしめるものだと思い出した

 

一方で、そろそろ学生を終わろうというモラトリアム期に感じた焦燥感やカラオケをあとにした夜明けの青さ、手持ち無沙汰でやるゲームの感覚も蘇ってきた

 

おそらく高評価を受けているのは観客に「あの頃」を思い出させるからだと思う

 

 

 

 

 

令和三年 寿初春大歌舞伎と年末年始のいろいろ

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年明け早々飛び込んできた緊急事態宣言要請のニュース

真っ先に思ったことといえば

歌舞伎座が閉まっちゃう!」

でした。

年始は混むからってことで2週目以降に行く予定だったけど、もし緊急事態宣言が出てしまって今回を逃したら次に浅草組を見るのは1年後になってしまう!と動揺。

何とか公演中止は免れたけど、すごく不安でした

 

というわけで1部

前半「壽浅草柱建(ことほぎてはながたつどうはしらだて)」

〜休憩15〜

後半「悪太郎

 

今回も友人が同行してくれるということでせっせと資料を作りました

曽我ものは資料作ってて楽しい

しかしながら、立ち位置がよくわからない役が多すぎ😂

十郎五郎、祐経、朝比奈、大磯の虎はわかるとして、朝比奈の妹とか女の子2人とか、茶道珍斎とか特に説明がない。

外郎売を見たことがないので、見たら少しは解消されるのかしら

地元の図書館に現代語訳の曽我物語を借りに行ったら読み下し体のしかなかったんだけど、読める気がしないや

wikiで調べたら曽我物語って作者不明で大元は大磯の虎の口伝から発生してるらしいですね

そういう視点の物語があってもいい

キャラが立ってるからゲームとかになれば面白そう

 

ともかく、米吉くんとまるると鶴松の踊りとか

米吉巳っくん種ちゃんとか、組み合わせが眼福でしたね

種ちゃんは座って静かにリアクションしてるんだけど、目がぱちくりしてて、そういう生き物みたいだった可愛かった

 

浅葱幕がパッと落ちた瞬間、あまりにも舞台が明るくて世界が照らされた気がして、「明けました!ありがとうございました!」という気持ちになりました。

ありがたやありがたや…

 

後半は猿之助さんの「悪太郎

この配役で福之助くんと種ちゃんが替わると「黒塚」の座組になりますね、放送で見たけど猿弥さんがすごかったんだよな

 

 

 

話は前後しますが、紀尾井町家話の年末の配信に幸四郎さんと猿之助さんという豪華ゲストが来ていました

猿之助さんは悪太郎では薙刀を振り回しているけど、事故のあとから親指が上がりにくいって言ってましたね。あと事故の時は腕がユッケみたいになってたって😱怖😱

どうせ弥次喜多の告知で来たんでしょと思ってたけど(松竹はそのつもりだったかもしれないけど)松緑さんに振られるまですっかり忘れていたよね

助監督がいなくて猿之助さんが監督に仕立て上げられてたって😂めちゃくちゃ戸部さんに文句言ってたな

正直、主役レベルの役者3人の関係性ってどうなんだろうと思ってたけど

酔ってぐだぐだの幸四郎(一番年長)、

風体はやばいけど一番きちんとしてる松緑

ブッこみまくる猿之助(一番年下)という

ただの居酒屋のおっさん同士の会話でしたね

良かったです。

 

猿之助さんは世代の中で突出して歌舞伎を愛し歌舞伎に愛されていると思うんだけど、そんな猿之助さんをして「傷付くとわかっているのに、先陣をきるところがすごい」と言わしめた幸四郎さんとの関係性が見えて面白かったです

「嵐さん嵐さん」って松緑さんに懐いてる(?)感じも良かった

(猿之助さんホテルから仕事通ってるっぽかったね。帝国ホテルなら劇場もテレビ局も近いし、お弟子さんに身の回りは任せてるんだろうな〜、生活が謎すぎるぜ)

 

 

年末年始は中村屋の特番もありましたね

年末の番組はこれまで2回の配信の振り返りがメインでしたが、3月明治座の公演中止時の舞台裏が見れたのはよかったです

3月の明治座は中止になった代わりに座談会の無料配信がありまして

あの時はありがたく見ていたけど、裏側ではけっこう殺伐としていたんだなあと知った

 

年始の番組は新撮

おめでたい感じで江戸時代の歌舞伎についての風習をクイズ形式で答えたりする内容でした

こちらは勘太郎長三郎の代わりに鶴松くんが入っていて、浅草ロケにも出ていたりして、絶妙にいじられてましたね

七之助さんと鶴松くんって年齢がひと回り違うけど、けっこうフレンドリーすよね

自分の職場で置き換えると考えられん…でもタメ語でツッコんでくる後輩がいたら可愛がるかもしれない…イラッとくるかもしれない…

そしてこの番組の最後に春暁公演の告知がありました。

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鶴松くんが操り三番叟をやるので行くんですよ結局。だって見たいもん。

ご兄弟は歌舞伎座3月の出演も決まったのでそのまま春暁公演に出る模様

とはいえ歌舞伎座の千秋楽29日よ

翌日から愛知→広島→休み→神戸→東京って…

けーぽっぷのデビュー2年目の中小事務所のグループの日本ツアーみたい。スケジュールキツすぎてメンバー脱退するやつですよ

 

年始のEテレでは「にっぽんの芸能」特番と歌舞伎座南座の新春中継があったりして

伝統芸能のオタクやると年始って楽しいんだなあと思いました。

 

さらにBSではなんと!

「歌舞伎版 風の谷のナウシカ」の放送が!

嬉しすぎてこれも資料作って周りに配布。

本編は映画館で見たので、ドキュメンタリーの方が興味深かったです

技術面の舞台裏をきちんと取材されていたので見ごたえがありました

戸部さん何度も見切れてるのに名前テロップ入らないから見てる人は誰だ?ってなってただろうよ。

しかしつくづく「マスクをしないと生きられない世界」ってどんな暗示よと思いますね、今じゃん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目指せ!宝塚大劇場への道

自粛中に歌舞伎と宝塚にはまったって人に一向に出会わないんですけど、みんなそんなにネトフリ見てたのかなあ。

WOWOWで狙ってか偶然か、歌舞伎と宝塚歌劇団

星組の「阿弖流為」が立て続けに放送された事がありました

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当時は歌舞伎しかわからなかったので「まあ見比べてみるか…」くらいのテンションだったんですよ。

しかし…

歌舞伎版も良かったんですが、個人的には

宝塚版がとっても良くて。

まずストーリーが良かった。

各々の苦悩があって、その暗さが私の好きな感じだった。

あと衣装が良かった。

重そうな生地や毛皮で手が込んでるなーと思った。

そして群舞はとても見応えがあった。

7人くらいの群舞が何度か出てきたんですが、すごく腰を落として踊っていて、びたっと動きが揃っていて、それでいて野生的で…かっこいい。

私が抱いていた優雅な宝塚のイメージが秒で覆った。

 

そして、

その中心にいたのが主演の礼真琴さんでした。

 

もう登場の時から視線が鋭くて暗くて孤独で。

なのに素はすごいゲラなの。このギャップが…

好きな方には何を今更…と言われそうだけど、

まじでコロナが私に与えてくれたものは図りしれなく大きい。

(コロナがなかったら歌舞伎の推しも真琴さんも知らなかったかと思うと怖!!)

というわけで現在はスカイステージに加入し、真琴さんの出演舞台を時間を巻き戻して追いかけています。

歌舞伎もそうだけど、宝塚もトップさんのタイプに演目を合わせているということを初めて知る。

真琴さんはがんがん踊るし口から音源だし、ファンのブログを読んでいるとやっぱり実力派なんだそう。

なので真琴さんがトップだったり主演だったりする演目は見ごたえのあるものが多い。

一方で、二番手時代は変化球的なコメディタッチのものがあり、中間管理職的な役割も垣間見えて面白い。

 

というわけで、

宝塚大劇場に真琴さんを見に行きたーい!!

んですよ。

トップになると退団までのカウントダウンが始まっているらしく、けーぽっぷの7年縛りを経てようやく死ぬまで推せる歌舞伎に出会ったと思ったら、宝塚は2〜3年の場合もあるって…

こうしちゃいられんわけです。

でも緊急事態宣言もあって、2月から始まる「ロミオとジュリエット」、1階席しか売らないんだって😭😭😭

あと、ともかく宝塚友の会の返信が来ねえ。。

GOT7の本国ファンクラブに自力で入ったとき以上のハードルの高さを感じてます。

大階段の真琴さんを生で見られる日は来るか!?

 

 

 

 

ちなみに歌舞伎版の坂上田村麻呂勘九郎さんははまり役です。アウトローだけど人情家。毛谷村の六郎が合いそう。

 

 

 

フレイザースイート赤坂東京

観劇(歌舞伎座)と観劇(国立劇場)の間に急に夜勤が挟まったので←、国立劇場の近くに宿を取ることにしました

赤坂は他のエリアに違わずホテルのグレードはピンキリ。

赤坂通り沿いは古いホテルが多く、一ツ木通りみすじ通り沿いは新しいシティホテルが多くありますが、泊まってみるとおかしな間取りの所もあり。。

かと言って有名ホテルにおいそれと泊まれるほどの資金もなし。

 

いろいろ探しているときに、以前先輩がレジデンスっぽくて一晩じゃもったいなかった〜と言っていたフレイザースイートを思い出しました。

先輩が泊まったときはGO TOではなく開業割引でとても安かったとのこと。

私が料金を見たときはスタジオエグゼクティブキング キッチン付という最安のお部屋が14,000円程でした

 

赤坂駅から円通寺坂を上がって突き当りを左。

歩くと10分かかるかかからないか。

赤坂見附からだともう少しかかると思います。

 

チェックインして今回泊まる10階へ。f:id:em378794:20210112235708j:image
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扉を開けると右手にドラム式洗濯機

並んでクローゼットとキッチン、

左手にトイレとバスタブ付シャワールームがあります

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正面は目隠しがあって、その向こうにキングサイズベッド

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壁際はソファ

部屋、写真よりも広く感じました

通路が狭いということもなし

 

ちなみに…寺院の多いエリアです。

はす向かいのホテルに以前宿泊したときは下一面お墓でした。ここからは少し見えるだけですが、眺望は期待しないこと。

 

AV機器は充実しています

ベッドの正面はBOSEBluetoothスピーカーと壁掛け式4Kテレビ、BSとWOWOW、一部CSと海外系チャンネルも入っていたと思います

充電はコンセントの他にUSBもありました

 

キッチンにはエスプレッソマシンとフライパンと鍋にIH2口にオーブン。冷蔵庫はちょっと小さめ。

調理器具とお皿、カトラリーは完備されています

調味料(炊飯器も)はフロントで貸し出しとのこと。

テーブルはソファの前にある丸型のもののみなのでそこまで大がかりな料理は作れませんが、ちょっと炒めたり温めたり湯煎したりは大丈夫。

赤坂駅には成城石井円通寺通りの角にはビオセボンがあるので、歩くけど食材の調達はできそう

 

アメニティはMALIN+GOETSという、調べたらニューヨークのブランドのようでした

それ以上の情報とか口コミとかブログが出てこなかった

そもそもフレイザーズホスピタリティはシンガポール発のホテルチェーンのようですね

 

…さっきまでアスコット丸の内について調べていて、ここも同じようなレジデンスタイプ、価格帯でシンガポールのホテルチェーンだったので驚いた

レジデンスタイプがシンガポールのスタンダードなのかなあ

 

引き出しを全部開けたつもりだったけど、パジャマが見つからなかった。

コロナ対応もきちんとしていました。

少人数でパーティーしたらきっと楽しいと思います。おすすめ。

 

ちなみにここから半蔵門国立劇場までは20分くらい歩くんですが、通り道に韓国っぽいカフェ(ドーナツ屋?)があります

砂防会館の向かいです

値段は気にしちゃだめだ。

揚げていないので丸い型で抜いたバター感の少ないマドレーヌみたいな感じ。

クリスピークリームドーナツのようなシュガーグレーズを期待してはいけません

その代わり、上に乗っているトッピングのチョコやドライフルーツの味が濃くて美味しい

出発を1時間早くしてカフェタイムを過ごせばもっとスペシャル感が味わえそうです

(わたしは国立劇場の無料休憩室で食べましたが🙄)

 

残念ながら隣の飲食店はcloseしたみたい。

だけど通り向かいのカフェはやっているし、ガーデンテラス紀尾井町もあるし、時間があるときに回ると楽しそうです

 

 

 

 

令和二年12月 国立劇場 歌舞伎公演

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1部、初めて生で見る三人吉三

 

ちなみにこの春、コクーン歌舞伎三人吉三沼に首までイッてました

 

コクーン版との違いは大きくニ点

①伝吉が出演する/しない

②墓地の場の有無

コクーン版しか通して見たことがない私にとって、伝吉ってもしやそんなに主要キャストじゃない…😯?という衝撃

というか、主要キャストのシーンを省略しても成立するというのは衝撃的でした。

 

さらに墓地の場の前、源次が軍鶏を解体するために研いだ包丁。

これがおとせ十三を殺すための凶器になるわけなんですね…

刀じゃないっていうのもまた衝撃で(坊主だからね)。

コクーン版ではただの小道具に過ぎなかった包丁だったので(あ、これで殺すんだ、)と思った瞬間、急にいろんなことが繋がって寒くなりました

 

要は兄が妹とその恋人を惨殺。

しかも父が死んで頼りに来たところをだまし討ちに、殺すと告げ二人もそれを受け入れて…

(この時のぶちっぽい衣装も犬の呪いを表しているとか)

これも因果、なのかなあ。。

黙阿弥のストーリー展開って江戸(幕末の不安な世情)だからこその感覚かと思っていたけど、黙阿弥自体がサイコパス作家だった可能性も捨てきれない…

筋書きで読んではいたものの、実際に見ると「はあ!?!?和尚ひどいんだが!?!?」と思いながらハンカチ握りしめて泣いてました。

客席からもすすり泣く声が。

その雰囲気で芝翫さんの芝居のスイッチが入った感じがした。

そうそう、庚申丸うんぬんとおとせ十三の出会いのくだりもないので、開演5分後くらいには大川端の台詞になるんですよね。

あっけないなと思ってたけど、こうやって書くと後半盛りだくさんなのでやむなし。

ラストは見得で終わるのでバッドエンド感はあまりありません。

演出によってこんなに印象が変わることが驚きでした。

 

 

 

 

 

 

令和二年12月大歌舞伎

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さて新型コロナの影響で、興業の雲行きが怪しくなってきましたね

代役や休演でバタバタと慌ただしい感じ

一方で、2021年1月からは3部制にし料金も改定されるとのこと

短いながらも破格の料金で見られるのは年内いっぱいということになります

 

今月は2部と3部から。

 

2部 心中月夜星野屋

この舞台まじでたのしーーーー!!!

歌舞伎というよりはお芝居。

主人公おたかは本名をもじった七之助さん。

美人だけどしたたかで世渡り上手な女性。

キャラ的には「大江戸りびんぐでっど」のおようちゃんが一番近いような。

声が低めでからからと喋ってます。

七之助さんの狂ったようなお役にも魅入られる

にゃんにゃんしたお役も心の底から可愛らしく思う

そして、この地に近い楽しそうな感じが見ていて一番楽しい

 

おたかのお母さん、お熊役が猿弥さん。

世の酸いも甘いも知り尽くした女性。

丸いけど動きまくる!

猿弥さんは地声が高いし、なんにも演じてない。

素でした。

おたかの財布、星野屋は中車さん

半沢直樹より味付けは薄め

おたかと星野屋を取り持った藤助は片岡亀蔵さん

七之助さんの舞台になくてはならないお方。

猿弥さんと亀蔵さんは芸達者だしコロナ禍以降も本当に引っ張りだこで、ほうぼうからの信頼の厚さが伺える。

夜の吾妻橋の背景がほの暗くて素敵だなと思います。暗い舞台大好きなので。

楽しくやりとりする役者たちと最後の化かしあいが楽しい演目でした

 

3部 傾城反魂香 土佐将監閑居の場

猿之助さんと勘九郎さんが、それぞれ弟分を出し合っています

猿之助さんとこは團子。

義太夫に合わせて踊るのって難しそうなんだけど、團子頑張ってた

紀尾井町家話で猿弥さんが團子の雅楽之助を見てるって言っていたような

勘九郎さんとこは鶴松。

鶴松くんはコロナ以降での生舞台出演は初。

修理之助は絵から抜け出た虎を塗りつぶして(?)退治するんだけど、これも紀尾井町家話で空で「龍」の字を書いてるんだって松緑さんが言ってた

修理之助は旅立ちを又平が追いすがって止められるところで、又平の肩をぽんぽんと優しく叩いていた

西サイドの上から見ていると、修理之助が退場するくらいまではほぼ半分くらいの客が夢の中にいたんですよ

だけど、幕引きで下を見たら寝ている人は誰もいなかった

 

今まで見た義太夫ものの中で圧倒的に無音の時間が長い

それは切腹を覚悟した又平を止めようとする場面だったり、なかなか離れない筆を指1本ずつ開いて外したり、手水鉢の絵の抜けに腰を抜かす場面だったり。

だけど不思議なことに無音の時間が続くほど観客は見入っていくんですね

最後はめでたしの踊りで、猿之助さんは実際に鼓を打ってました

 

4部 日本振袖始

これに尽きます

菊之助さん初役で代役で主役。

しかも菊之助さんの神仏というか、この世のものっぽくない女形がめっちゃ好みなので玉様目当てだった同行の先輩には申し訳ないけど、めちゃくちゃ湧いていた。

ヤマタノオロチは8人で表現。

途中で足台を用意して正面での唄があったりして面白かった!

 

 

 

 

 

 

 

右から読んでも左から読んでもTENET

みなさん追いテネット何回キメました?

結局2回しかキメられなくて…

ほんと悔しい。

 

 

「TENET」は逆再生をキーワードにした物語で、いわゆる瞬間移動モノとは異なります。

3日前にタイムリープしたければ3日かけて時間を遡らないといけないんです。

 

映像編集ソフトでは時間の流れを可視化するために左から右へポインターが移動していきます。それを思い描くとわかりやすい。

しかし映画には本人たちの時間の流れの他に映画としての時間の流れもあるわけで…

特にラストの10分間の時間挟み撃ち作戦のところ。

順行する10分間と逆行する10分間をそれぞれレイヤーさせるまではいいとしてニールが作戦を無視して順行するともう…何が何やらわからん。

逆行の概念に老いはあるんだろうか?

あるならニールと未来の「名もなき男」が出会うのはそう先のことでもないような。

 

オスロの空港での、未来の自分たちとのアクションシーンは順行と逆行に加え、役者の(逆回しっぽい)演技もあるので見ごたえがありました

カットが変わるたびに入れ替えてるんだと思いますが、わけわからなすぎて気が狂いそう。

 

キーワードひとつひとつは何と言うか、すごく厨ニ的なんですよね

主人公は工作員

滅亡から人類を守る秘密組織…

核兵器を扱う武器商人…

美術品を管理する空港の極秘倉庫…

そんな「いやいや〜」って感じのワードたちを、抑えめのカラーと硬派なやりとりで見せられリアルに感じられることができて嬉しかったです

作品の舞台が世界中を股にかけているのも。

キエフ、ムンバイ、ポンペイなどの一癖ありそう街が登場して厨ニゴコロをくすぐられました。