すきなもの雑記

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わたしが一番欲しいもの…令和六年3月大歌舞伎「寺子屋」

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あまりにも配役がアツすぎて昼の部は「寺子屋」のみ幕見で見てきました

【今回の配役】

松王丸…菊之助

播磨屋の意思を継ぐためニンではないなどという外野の声をよそに舞台に立つ。決意がハンパない

武部源蔵…愛之助

最近の充実がすごい。すごすぎて尊敬の域。どうしたらこの殺人的スケジュールをこなして素晴らしい舞台を作り上げられるのか

戸浪…新悟

舞台で余裕が出てきて役の解釈に手が伸びている感じがする。それだけ若手時代に真面目に向き合ってきた成果だと思う

千代…梅枝

身体も動くし役も勉強できてるし化粧もうまいし本当に旬。まさに動く浮世絵。華やかさとは違う「粋」を体現している

涎くり…鷹之資

レアすぎる。いずれは松王も源蔵やってほしい!

 

とにかく全員の「圧と気合」がすごかった。

舞台の上で己と向き合う、芸を極めるという覚悟が何より大事だと思うのです。そして代々受け継いできたもの、後世に伝えていくもの。時間という横軸と役者の個性という縦軸があるから今の世も歌舞伎は面白いんだなと思います。そういう意味では愛之助さんと菊之助さんは秀太郎さんと吉右衛門さんの教えを受け継いで行こうという意思がみられますし、お弟子さんたちをどんどん抜擢していこうという姿勢も共通していますね

そして千代ですよ。中盤で花道からぬるりと出てきて、あまりの空気感に鳥肌がたった。着物が黒いからモノクロ映画を見ているみたいでした。もうこの時点で生きた我が子に会える期待はほぼなさそうだったなあ。梅枝さんは時蔵さんになって、これからどうなってしまうんだろう。期待が止まりません。