すきなもの雑記

話したいことを話したいだけ

今年の新春は新国立劇場で!「国立劇場歌舞伎公演」

新国立劇場中劇場での初春歌舞伎公演を見てきました

f:id:em378794:20240127173747j:image
国立劇場時代、こんな立て看板ありましたっけ?

仕事ではフォントとしてたまに勘亭流を使用することがありますが、筆で書けるというのは本当に素晴らしいですね。

中劇場の特徴としては、ラウンド状にカーブしているという点、あと花道が作れないという点です。古典で花道がないと、基本の形などういう進行が知らない演目だと本来の見どころがわからないことになります

演目は

梶原平三誉石切(石切梶原)

芦屋道満大内鑑  葛の葉

勢獅子門出初台

の3本です

 

石切梶原

梶原平三(菊之助)は平家方だがかつて石橋山の戦いで頼朝の命を助けた事がある人物。大庭景親(彦三郎)と俣野景久(萬太郎)らと、鶴岡八幡宮にて六郎太夫(橘三郎)と娘の梢(梅枝)から刀の鑑定を頼まれる。刀の切れ味を試すため、六郎太夫は梢を家に戻らせている間に自らの身を差し出すが、梶原は持ち前の腕で罪人のみを斬り分ける。これにより刀の力は証明されずじまいとなったが、大庭俣野の去った後に梶原が斬った石の手水鉢は真っ二つ。刀の実力と源氏への信頼を寄せた梶原なのであった

 

菊之助さんの今回のメインの役どころですね。スッキリとした二枚目です。主役はかっこよく見せ場もあり、健気な娘と善良なお爺さんと三枚目の罪人(亀蔵さんの剣菱呑助)が登場、話も1時間程度でまとまっているので古典の割によくかかるんでしょうか。梶原景時への理解がないと幕が空いた瞬間に「?」となってしまうので前知識が必要です。

 

葛の葉

このように、陰陽師の旅は続いてきました

そしてその後、歌舞伎座でやったんだよなぁ……

芦屋道満猿之助さん。芦屋道満大内鑑は近年通しではかかっていないそうですが、猿之助さんは勉強してそうだな。

さらにさらに、映画「陰陽師」を思い出してみましょう。野村萬斎さん(安倍晴明)の敵役として、出ていましたね、真田広之さんの芦屋道満

 

保名(時蔵)の妻、葛の葉(梅枝)は実は狐の化けた姿。本当の葛の葉姫が保名の元を訪れたため、正体を明かし、子(のちの清明)を残して家を去ろうとするが…

 

梅枝さんの早替り(女方って珍しいよね)、口で筆をくわえ障子に文字を書く曲書き、立ち回りなど、こんなに女方が大活躍の演目は…「義賢最期」の小万姐さん以来だ!という感じでした。こんなに葛の葉で大活躍なら石切の梢が吉太朗さんでも見たかったかも!女方メインの吉太朗さんが今回鳶だけだったので見たりないよー!

というわけで、ラストの勢獅子はおやじさまの登場を待って打ち出し。お子様たちも立派でした