すきなもの雑記

話したいことを話したいだけ

令和六年3月大歌舞伎「伊勢音頭恋寝刃」

今更ながら3月夜の部の感想です

幸四郎さんが主人公、相方のボンクラ坊っちゃん菊之助さん、料理人喜助にらぶさん、三枚目に彦さんという大変素晴らしい配役の組み合わせです

f:id:em378794:20240501094052j:image

 

前回も書いてますが、歌舞伎あるあるの各部のジャンルが違いすぎ芝居ですね

前半、相の山・宿屋・追駈け・地蔵前・二見ヶ浦

まではコミカル&スピーディに進んでいきます

ボンクラ万次郎(菊之助)としっかり者の従者貢(幸四郎)の手下、林平(歌昇)が大活躍。敵が地蔵に化けたり井戸に逃げたり動きっぱなしでドタバタです

今回初めて見たのが太々講の場。ここ面白かった。正直正太夫(彦三郎)の盗みをなすりつけられる貢。お紺を叔母とごまかすが、本当の叔母のおみね(高麗蔵)が青江下坂を携えてやって来てしまう。このおみねさんが探偵役でカッコイイ。謎解きぽい展開で進んでいきます。彦三郎さんのメイクが完全に後半のシリアスとは違いますからねっ!と訴えかけていました。青江下坂を手に入れた貢は万次郎のもとへ急ぎ後半へ

後半、油屋・奥庭。ここはよくかかる場面ですね。ここからはシリアス…というか、「半沢直樹」のような我慢を強いられる展開が続きます。後半の貢は女に翻弄されるちょっと頼りない感じ。だからこそ万野(魁春)お鹿ちゃん(彌十郎)がグイグイ来るんでしょうね。そして幸四郎さんはそういうのが似合う。最後殺人鬼になるのも含めて似合いますね。また今回の料理人喜助は愛之助さん。思慮深い従者でこの役はずるいくらいかっこいいんですよ

最後の伊勢音頭で真ん中で踊ってらしたベテランの女方さんの踊りが目の吸い付くような形の美しさでした