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アントニオ・ガデス舞踊団「カルメン」

アントニオ・ガデス舞踊団「カルメン」を見てきました。演出はアントニオ・ガデスカルロス・サウラカルロス・サウラは映画「フラメンコ」の監督です。映画「フラメンコ」は本来土着の文化であるフラメンコを現代的な解釈でとらえ、乾いた空気感とロマの「血」に対する執着が溶け合った作品だと思っています。特に鏡を使った演出が特徴的で、今回の「カルメン」でも使用されています

冒頭、フラメンコのレッスンなのか同じ動きを繰り返すダンサーたち、その規則性を打ち破るようにカルメンが登場します

小説のカルメンはタバコ工場で働くカルメンが軍人のホセをたぶらかし、最後は殺されるという物語。オペラのほうが圧倒的に有名ですが、展開が少し違いますね。今回は「想を得て」とあるので、ストーリーを表現するというよりは感情の流れを舞踊で表現するということなのでしょう

簡素なセットの中でも群舞で街の喧騒を表現、カルメンの夫とホセの決闘をバストン(杖)をとり入れてスピード感を見せたり、闘牛士の身支度という緊張感のある場を設けたり、緩急がありました

音響が良く、クラシコ(録音楽曲での舞踊)とギターの違和感がなかったのが良かったです。衣装はもう少しディテールが見えるか色味が渋めだと良かったけど、舞踊団のスタイルもあるのでしょうか

踊りも舞踊団のスタイルが出るので、主演の二人の身体の使い方はどちらかというとバレエ寄りでした。

東京文化会館は初めて入ったんですが古き良き重厚感のあるホールですね。今は無機質なホールやシアターが流行りだと思うので、この濃さは代えがたいなあと思いました

アンコールで踊っていたルンバは「フラメンコ」の中でもラストシーンで使用されているセンシージョで、個人的に大好きな曲です。劇中でも使用されていて感動しました。