すきなもの雑記

話したいことを話したいだけ

木ノ下歌舞伎「勧進帳」@東京芸術劇場シアターイースト

シアターイーストは芸術劇場の地下にあり、池袋駅直結です。普段演劇を見ないのでこのハコがどのように使われるかはわかりません。今回は羊羹みたいな細長い舞台の左右に客席が配置されていました

勧進帳に関しては見たことがなかったため先日のNHKアーカイブ放送で予習。二世松緑が弁慶、先代勘三郎が富樫、尾上梅幸義経でした。

これが…おそろしく名演でして。

二世松緑の出演する演目を見たのはこれが初めて。なんてかっこいいんだ。問答の掛け合いの緩急が自由自在で、語尾の言葉はするするとほどけていくよう。最後の六法の形は指の先まで美しい。これが勧進帳か!と感動しました

話を芝居に戻すと、役者が長唄やラップをしても本域は超えられないわけで、そこで少し我に返ってしまい、冒頭の山伏たちの葛藤は現代語のためダイレクトすぎて逆に軽くなってしまったように思いました。ただ、問答の所は現代語にすることでムキになる二人がわかりやすくスピード感もあって良かったです。

ラストの解釈が私のイメージとは違いました。山伏と関所の役人を兼ねるのは画期的で面白いかも。無機質な黒い衣装なのが良かったです