かつて…コロナ禍の夏に暑さに死にかけながらぐるっとパスめぐりをしたこともあり、個人的には展覧会の完成度をかなり気にするようになりました
基準として
①テーマの一貫性
②適切な規模
③セクションごとのメリハリ
④グッズの充実度
…等が挙げられますが、今回の展示は上記の項目を満たしたとてもクオリティの高い展覧会だと感じました
マティスの画業の特徴は「色」と「作風の変遷」
流れるように画風を変化させていったのがマティスの特徴で、いろんな技術を取り入れてはやめるというルーティンにこそ一貫性があります。しかしその中においても「色」のもたらす意味を追求。そしてその色感覚が現代に非常にマッチしている点がこの展覧会成功の鍵なのではないでしょうか。
(一部撮影可能)
配された青に差し色のオレンジの潔さは日本というより今流行りの韓国のカラー感覚に近いような気がします
体調を崩し切り絵に傾倒していっても大胆な色のセンスは変わらず、シンボリックな部分が強調されていきます。かっこよくて大胆。どんな人にもわかりやすく伝わる直感的な作品は見ていて気持ちよかったです。
そして最後のセクションではプロデュースしたヴァンスの礼拝堂の品々と映像が並びます。アートのようでもありポップでもあり大勢の人が教会の映像に見入っていました。そういう意味では作品がバラエティ豊かで、広い会場にも関わらず飽きることがありませんでした
さらに、グッズは上野界隈にしては破格のセンスでした。
グッズ | マティス展 Henri Matisse: The Path to Color
私は礼拝堂の告解室デザインの手ぬぐい、マティスのサインが掘られた2色キーホルダー、上の静物画のデザインのミニファイルなどを購入。東京都美術館の場合は会場内に売り場があるので展示を見ないと立ち寄ることができませんが、普通に寄れたら危ないです。いくら使うかわからないと思いました。開催期間も長いですし、マティスを知るいいきっかけになりました