すきなもの雑記

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宝塚月組「DEATH TAKES A HOLIDAY」@東急シアターオーブ

シアターオーブは何度が足を運んだことのある劇場です。最上階から見ると天井から見ているみたいで不思議な気持ちになります。

今回はじめて1階に降り、月組を見てきました。初日のチケットが飛んでしまったのですが、演目に賭けて複数日買っておいて良かった…!と心の底から思いました

さて、基本的には雪組ボニクラのときと同じことを思っています

宝塚は番手が明確に決まっており、役の比重に直結します。しかしブロードウェイでは準主役でも歌がなかったりするんですよ…歌が苦手だったのか?よくわかりませんが、とにかくボニクラでは二番手の和希そらにフューチャーするような歌唱シーンはありませんでした。

今回の風間さんも、宝塚の原作なら絶対あるであろうソロ歌唱がありません。これは悲しい。風間さんの歌が聞きたい!

 

しかしそれ以外はよくまとまっていて、とても素敵でした

【演出面】

一番ビックリしたのは「盆がないなら作れば良い」ってんで舞台に盆ができていたこと。その中で大きな半円形の階段2つを動かしていました

今回は下手前方と2階センターで見ましたが、前回星組の「赤と黒」同様、オフ・ブロードウェイや小劇場作品は横幅がない分セットに高さがあり、前方席だとむしろ全体像が掴みづらいということがわかりました

れいこさん

死神コスの様子がおかしい感じが可愛かった。あそこであ、ライトな芝居なのねと察しました。そしてタップのあとにアリスを押し倒すところの少女マンガ的ドキドキシーン。死神モードをぶわっと出すところなど…色んな面が見れました

【海ちゃん】

歌唱をだいぶ練ってきたなという感じ。恋に恋してるジュリエット的にならなかったのが良かったです

1幕ラストにAlone Here With Youという曲をデュエットするんですが、旋律が良すぎて休憩中ずっと頭の中を巡っていました

【風間さん】

全体的にダルレークを思い出すのは役のポジションが似ているから。娘を思うソロがあっても良かったと思う。冒頭のコミカルな掛け合いからシリアスなシーンまでグラデーションのように感情を変化させていくのは大変だったことでしょう

【るねぴ】

このエリックという役がめちゃくちゃいい立ち位置で、ずるい!となりました。登場時間は少ないけど長いソロがあり、それが心揺さぶられます

るねぴの真面目さが役に現れていて歌唱後の拍手が一番大きかった。ここに登場するロベルト七城雅くんも良かったです

【れんこん】

声が良すぎる。エエ声に胡散臭さやチャラさが乗っかって役が生きている感じがします。おはねちゃんとの幕引きがおしゃれだった

【さち花お姉さま】

息子を思う歌が良すぎて泣いてしまった。

【みちるちゃん】

おばあちゃま、もうちょっと話に絡んでくるかと思ったけどラストのみだったので、ここだけは拍子抜けした

【やすちゃん】

ささいな役を自分の技術でかけがえのない役にする達人。こういうタイプの方は他の組でちょっと見ないかも。序列と関係なく技術で上り詰めている感じがして好感が持てます。今回は風間さんと歌唱があって良かった

 

この作品が作られたのは第一次世界大戦後のこと。そのため死に対するイメージが具体的に描かれています。常に戦争や死を身近に感じながら作品を作るというのはどういう感覚なんでしょうか。現代に生きながら作られた時代のことを考えさせられるストーリーでした