すきなもの雑記

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色々と覚悟して見た 宝塚月組「フリューゲル」

SNSやブログで「覚悟しといた方がいい」と言われていたフリューゲルを観劇してきました。何を隠そうLilacも平気で観劇した身なので、フリューゲルも充実した観劇でした

【ヨナス/れいこさん

めちゃくちゃまっすぐでかっこええ主人公。ソツなさすぎて中の人はああいう性格の人苦手なんですよね…言うてた。真面目な顔して踊ったりお色気シーンになったり、かと思えば捕まって立ち回りもあり、衣装は軍服かジャケットだし、れいこさんの良い所、素敵な姿を引き出しまくっていた。一つ前のDTAHのサーキとはまた違う良さだった

【ナディア/うみちゃん】

よく知らないが、マドンナとかをイメージして見ていた。わかりやすい複雑さを持った役でうみちゃんの持ち味とは違った一面を引き出せていたと思う

【ヘルムート/ちなつさん】

ラストの第九が流れて壁が回りるところでの言葉のない部分のれこちなの立ち回りはいつまでも思い出せると思う。それくらい型として美しく見えた

 

風間さんは最後に書くとして、今回も白雪さち花お姉様が魅せてくれました。役者としてあれだけ芝居で客席泣かせたらほんとに最高の気分なんじゃないか。歌がうまい方でもあるのでそれが関係するのかはわからないけど声の使い方が多彩。老年だけど聞き取りやすい声だった。

路線の生徒さんの配役はそれなりに露出があって、さすがオリジナル脚本と思ったんだけど、それ以外でヨナスの部下の1人、天愛るりあちゃんは今回けっこう抜擢に感じた。るねぴの第九歌い出しはインパクトあるし、さち花さんとサシでれんこんもきちんと芝居を見せる場面がある。うーぱるりりちゃんはチャリ場担当として安定感があるしじゅりちゃんも壁崩壊後ではいないため最後にダンサーとして登場。最近の彼女はポートで見ると充実が溢れているようでものすごく美しい。あみちゃんは板挟みになる苦悩が見せ場で(カワイイからスパイにした疑惑)、そこに寄り添うおはねちゃんもきちんと見せ場あり。ちるみかも最後はNATOの制服に衣装替えしている。

ちなみに役者はわからないが冒頭のベルリンにおじいさんとおばあさんがおり、とてもリアルなので見ちゃう。

【ルイス/風間さん】

風間さんの素晴らしい点はとても楽しそうに演じているところ。れいこさんが「ルイスが風間さんの本質ではない」と言っていたように、本人はプライベートで底抜けに明るいタイプではないのは重々承知しているんだけど、舞台にあがった風間さんからは生のエネルギーがぼこぼこ湧いてくるのが見える。その波動はれこちなとは全く違うものなんだよなあ。登場も、正体をあかす歌も、車と併走するところも、マンホールから出てくるところもワクワクしながら見ていました。別にいいんだけど、テロの真犯人が風間さんで暴いたれいこさんに豹変する所とかを見せていたら大変なことになるところだった。

 

セットがかなり工夫されていて、いつものせり上がりの小部屋が斜めにカッティングされており、そこにドアをつけていた。おかげでドアを設置して出入りが可能になっておりホテルのシーンでは重用されていた

 

さて、大劇場次回作での退団を発表したれこうみですが、それはもう見え見えのフラグを立ててくれていたので覚悟はできていました。演者としてのれいこさんは2番手がやるようなアクの強い役を好んでいるように見え、桜嵐記の楠木正儀やピガールのシャルル、AFOのベルナルドなどが印象に残っています。

ラストの作品は正塚先生なので王道ではない、やるせなさや大人の味わいが活きる舞台になると期待しています