すきなもの雑記

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ドルビーシネマで難敵「1789」を見る

有楽町のドルビーシネマで宝塚星組の1789を見てきました。月組版は最後まで見れず、私にとっては難敵の演目です。(ストーリーも曲も刺さらず)

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ショーアップされたミュージカル部分には沢山の見どころがあります。

【礼さん】

主人公ロナン。ロミオと同じように礼さんに合う役だと思う。素直なんだけど途中で学歴コンプに陥るような影の側面も…というと「赤と黒」に通ずるところがあるのかもしれない

【なこちゃん】

月組公演の際に2番手格の娘役が演じた侍女オランプ役。前回アントワネットが歌っていた「許されぬ愛」という大ナンバーを担当。中の人の雰囲気が活きる役でロナンとの自然なカップル感が良かった

【くらっち】

華やかなアントワネット、恋に悩むアントワネット、運命を受け入れたアントワネット…と様々な側面を演じる。番手に関係なく先輩が演じたほうがオランプとの関係をうまく表現できるんだなと実感

【ありちゃん】

デムーランは出番は多いけど見せ方が難しいと思う。デムーランを見ながら、今回ありちゃんは代役でロナンをやったんだよな…という事実が頭をよぎり、見てもないのに礼さんのセリフをありちゃんだったらこういう感じで言うだろうなと脳が自動再生した。ありちゃんはつくづく試練を与えられる巡り合わせなんだなと思う。それをひたすら真面目に乗り越えて成長の証が見えるのが素晴らしい

【瀬央さんとぽんさん】

前提で瀬央さんとぽんさんが同期なのがインプットされているので、悪役のヒエラルキーがはじめ良くわからなかった。首謀者がアルトワで実行犯がペイロール、その手下に三馬鹿トリオがいると。3人の中で私はちゃりお君しかわからなかったんだけど、フェルゼンに匹敵する役付きの良さだと思った

【あまと】

ありちゃんが月組時代に演じていたフェルゼンよりは安心して見れたけど…アントワネットとの恋愛の相手として考えるとものすごいツバメ感がある

【ほのかぴ】

彼女がトップ娘役になるには何が足りないの?すぐにでもなってほしい、というくらい仕上がっている。農民の兄妹という設定が非常によく表現できていて、幼さと艶っぽさが同居した複雑な役に仕上がっていた

 

 

ここまで書いて来て気付いたが、「1789」には見方によってポジションが変わる人物が多い

オランプは父がバスティーユの火薬庫の門兵なのでたとえ地位は低くても兵士の娘、という扱いになる。農民のロナンとは身分に差がある。一方で宮殿の中では下層に属するようだ。

デムーランたちは第三身分という、三部会に出席でする中で一番下の身分ではあるが裕福な平民の出身であり、ロナンとは生まれ育った環境が違う。

ここが話の重要な部分であり、わかりにくい部分である。視点が主人公に絞られる作品とは違い、群像劇で視点が移動すると各登場人物のポジションがぼやけがちになる。特に今回はフランス革命という史実が元になっているため歴史に忠実にストーリーが展開する。「ロックオペラ モーツァルト」を見た時にモーツァルトの生涯を描いて終わるのかあ〜と感じたのに似ていると思った

 

映画の色味が全体的に抜けている感じで冒頭は「カラーグレーディングし忘れた?」と思ったくらいだった。さらに照明のあたっている所はノイズっぽくなっていたので収録時に設定ミスでもあったのか。このまま配信すると他の作品に比べて「色味変じゃない?」となる気がする。