すきなもの雑記

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思い起こすは文化祭の狂騒 平成中村座「十月大歌舞伎」

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平成中村座に行ってきました

浅草寺の裏へ回ると平成中村座のテントが見えてきます。小さな門をくぐると物販の出店が数軒並び、靴を脱いで芝居小屋に入ります。なんだか文化祭の出し物のような雰囲気。みんなのわくわくが伝わってきました。私が見た日は気温は低くなかったけど靴を脱ぐので会場は冷えるらしくて。ゴージャスな歌舞伎座とは正反対の猥雑な環境を楽しむ、正に芝居小屋です

早めに到着して浅草をうろつき、入場前に仲見世裏の梅園であんみつを購入。小屋内で食べるのはまだはばかられたので、幕間中に浅草寺裏で休憩。美味しかったです

 

1部

双蝶々曲輪日記  角力

配役を見たときには放駒が虎之介さん!?と意外な感じでしたが、小柄な少年ぽい作りで濡髪(勘九郎さん)との対比がわかりやすく、カッとくる性格をよく表現できていると感じました

もう一人、与五郎(新悟さん)も強くて大きな濡髪に憧れる坊っちゃんのキャラクターをわかりやすく演じていました。確か再開後すぐの歌舞伎座で見たときは与五郎と放駒が2役だったはず。

何様って感じですが、新悟さんのびのびと演じるようになりましたよね。弥次喜多のシー子もそうですが、古典のお役も遠慮なく自分の解釈で演じているように見え好感度大

勘九郎さんはめちゃくちゃでかかった笑。大げさでなく腰掛けた時の座高は虎ちゃんの倍くらいありました

 

極付幡随長兵衛

湯殿の長兵衛。私にとっては初の幡随長兵衛モノ。これは時代背景を理解する必要がありますね。

ウィキペディアによると、幡随院長兵衛は1620年代の生まれ。赤穂浪士の1700年頃に比べてももっと前の江戸前期。芝居の初演が1880年なので、現在から初演の年を振り返る以上にタイムラグがあります。おそらく戦国時代の残り香の漂う時代だったのだろうと。そこで町奴のまとめ役幡随院長兵衛と旗本奴の水野十郎左衛門のグループが抗争をしていたわけです。旗本と言われると偉くてきちんとした方なのかなと思いがちですが、水野も「ワル」の頭領なのです…

初めて見たので1幕目の演出にびっくり

劇中劇のように展開し、途中ゴロツキの乱入で芝居がストップ。客席から止めに入る幡随院長兵衛と2階から声をかける水野

舞台上の亀蔵さんと新悟さんが花道のやり取りを手に手を取って見守っていたのでめちゃくちゃ可愛かったです。そしてそして、陽喜くんはぜひチョッパーをやったらいいと思う。ちっこくてカワイイ

見せ場は一張羅に着替える場面。妻の七之助さんお時が、悲しみを隠しきれないもののきちんと着物を畳むところがたっぷり描かれています

ラスト、風呂場で立ち回るというのも不思議なもの。わざと長兵衛を丸腰にさせて水野は殺す気まんまんで長槍を持って現れます。正々堂々とはしていないけど…勘九郎さん水野の長槍が鋭すぎて怖いのよ。きちんとオチがつくので死に際の悲壮感だけでなく物語の収束も味わえます

 

週末でしたがサイドには空席あり。

建込みからやるわけですからベースの値段が高くなるのは仕方ないですよね。舞台横の桜席に座ってみたかったです