すきなもの雑記

話したいことを話したいだけ

2023-01-01から1年間の記事一覧

流れるように画風を変えた先に… マティス展@東京都美術館

東京都美術館のマティス展に行ってきました かつて…コロナ禍の夏に暑さに死にかけながらぐるっとパスめぐりをしたこともあり、個人的には展覧会の完成度をかなり気にするようになりました 基準として ①テーマの一貫性 ②適切な規模 ③セクションごとのメリハリ…

不思議な概念の物語 刀剣乱舞〜月刀剣縁桐〜

猿之助さんのショックに救いを求めた結果、とうかぶ一等席を取っていました。観劇にあたり配信されていたアニメシリーズを視聴、ゲーム原作ということでベースの設定があります。 まず普通の芝居と異なるのは、観客が審神者(ゲームのプレイヤー)であることで…

雪組だけいつも衣装が最高な件。「Lilacの夢路/ジュエル・ド・パリ!!」

さて、大分遅くなりましたが観劇忘備録。 お芝居「Lilacの夢路」、巷の酷評はあれどこんなもんかなーと思って見ていました。私にとってはハイローの方が半端な感じを受けたので。 やはり雪組はショーの全体のクオリティが素晴らしいです。私は月組贔屓ではあ…

宝塚月組「DEATH TAKES A HOLIDAY」@東急シアターオーブ

シアターオーブは何度が足を運んだことのある劇場です。最上階から見ると天井から見ているみたいで不思議な気持ちになります。 今回はじめて1階に降り、月組を見てきました。初日のチケットが飛んでしまったのですが、演目に賭けて複数日買っておいて良かっ…

ヒーローが主役にならない物語 国立劇場「日本振袖始」

最早さよなら公演が長すぎて、いつ閉館するのか、工事業者の選定は終わったのか等、何もわからなくなってしまった国立劇場ですが、歌舞伎鑑賞教室に行ってきました 画像は文楽で使用する小道具で、今回の「日本振袖始」にも登場する八岐大蛇です。昨年末に見…

ふらりと温泉さんぽ 伊東篇

夏の盛りになる前に伊東に行ってきました これは夜の東海館 古い踊り子が旅情マシマシで好きでしたが、車両が新しくなりましたね。これはこれで快適です 到着が昼前だったため混む前に開福丸さんでサービスランチ 鯵の刺身がとろけるよう さて、食事後連れに…

初めての4階 令和五年6月大歌舞伎

木挽町広場のうさぎの横には紫陽花が。 さて、今回初めて幕見の指定席を予約しました。演目は四の切ですが…1時間超の演目を1500円で見ちゃっていいんですか?映画より安いって。(それ言ったら宝塚の立ち見もあるけど) 今回は松緑さんが狐忠信のため音羽屋型(…

NTLive「ライフ・オブ・パイ」

NTLiveを上映してくれるなんてとてもありがたいですよね。平日夜の遅めの開始なので仕事終わりにふっと息を抜けるのもとても良いです 「ライフ・オブ・パイ」 実はこの原作で思い出すことがあります 大学時代に英語の授業で原文小説を読むという課題があり、…

ぴらぴら緞帳!令和五年5月 團菊祭大歌舞伎

今年の團菊祭の話題は何と言っても尾上眞秀丈の襲名です。才能豊かな眞秀くん、歌舞伎役者になりたいと言ってくれて本当にありがとう。舞台度胸があってとにかく元気。今後のご活躍に期待します。そして御祝の演目には團十郎さんと菊之助さんが夫婦で出演。…

新緑の鎌倉さんぽ〜二階堂周辺〜

鎌倉を攻めよう、ということで二階堂周辺を散歩してきました。八幡宮の先、鎌倉宮のあるエリアです 覚園寺。鎌倉宮大塔宮バス停から15分位歩きます 鎌倉殿のミニコーナーで紹介され気になっていたお寺。中は緑豊かで東慶寺に雰囲気が似ています。奥の院に入…

天王洲アートさんぽ

少し前ですが、天王洲の寺田倉庫で行われた「ウェス・アンダーソンすぎる風景展」に行ってきました 線対称の建物を正面から撮ればあら不思議、ウェス・アンダーソンすぎる風景の出来上がりです 展覧会自体の「映え」に重きが置かれており若い人に人気がある…

楼蘭の風はどこから吹くのか 猿之助奮闘公演@明治座

劇中にこのような言葉がありました この風はどこから吹いてくるのだろう 新・三国志にもあったセリフによる美しい言語感覚が大好きです そして明治座のデジタル緞帳が素敵でした。これ、細かく人が動いてるんですよ。見てて飽きなかったなあ 昼の部「不死鳥…

もう五百羅漢図で通り過ぎたりしない…東福寺展@トーハク

東福寺展に行ってきました 土曜の開館時間に行くと行列で入れませんでした そのため上野東照宮に立ち寄ります 家康(東照大権現)を祭神とする神社を東照宮と言うようです。豪華な金色の社殿で、左甚五郎作の龍が彫られた門があります。左甚五郎というと歌舞伎…

国宝・燕子花図屏風@根津美術館

春の陽気に誘われて、根津美術館の燕子花図屏風を見に行ってきました 最近の私の流行りは「発注者の気分になって屏風を見る」。インテリアにどう合わせよう?とか、絵師ありがとう〜めっちゃウチに合う〜〜!とか勝手に妄想してます。 さて燕子花図の前に喜…

オリエンタルホテルと神戸旅行記

宝塚遠征で神戸に宿泊しましたのでまとめていきます 今回はオリエンタルホテルのデラックス・ツイン角部屋。フロントが少々わかりにくいです。フロント横のラウンジが素敵。 華美でない室内でとても好みでした クラブラウンジ利用のできないホテルなので、ど…

風間さん、基経どこやったの?宝塚月組「Deep Sea―海神たちのカルナバル―」

芝居の感想はこちら 私がショーを初めて見たのは開幕2日目で、本当になんの情報も入れていませんでした。なのでチョンパで衣装があらわになった瞬間爆笑。 なんじゃあれ。れいこさんの頭についているのは何?プロローグのデュエットも体の揺れに合わせて雉羽…

楽しそうで何より 令和五年鳳凰祭4月大歌舞伎

というわけで、月組のショーDeepSeaの前に歌舞伎座「新・陰陽師」の感想を。1週間で応天の門と陰陽師の舞台を見るなんて、本当人生何があるかわかりません。 少し話を横道にそらして、同じ夢枕獏氏の「沙門空海、唐の国にて鬼と宴す」の話沙門空海 唐の国に…

風間柚乃とその執着。宝塚月組「応天の門」

コロナ禍、一人でもんもんと歌舞伎の深みにはまっていたときにこんなことを書いていました 信じられますか?ここに並べていた「応天の門」と「陰陽師」が東京の地でお芝居になり、同時期に見ることができるんです というわけで、今回は月組「応天の門」につ…

颯爽と現れたのは…!?アイーダ@新国立劇場オペラパレス

まずオペラを見たことがない人間は、本当にこんな絵画みたいな繊細なセットなの?って疑うじゃないですか。私は疑っていました。もっと甘めのディテールになるんだろうなと。 しかしこのセット通りだった。 これまで見た舞台の中で、こんなに美しいセットを…

アメリカショービズの歴史を学ぶ GYPSY@東京芸術劇場プレイハウス

現在につながるレビューやショーやアイドルの形。元をたどるとどこへ行くのでしょうか。その源流とは? 実在のストリッパー、ジプシーローズリーの回顧録から母を中心に据えたミュージカル。初演は1959年で何度も再演されているようです。リーが40代で作られ…

殺しの色香に誘われて…令和五年 壽祝桜 4月大歌舞伎@明治座

明治座夜の部の初日に行ってきました! 明治座といえば中村屋でやるはずだった桜姫東文章がコロナ禍で中止になったままなんです。なんとか実現してほしいです。 通し狂言 絵本合法衢 多賀家の乗っ取りを狙う分家の大学之介(幸四郎)はお亀(種之助)を妾にしよ…

配役の仕方について考えてみる…宝塚星組「Le Rouge et le Noir」@日本青年館

赤と黒、原作は読んでいませんが安蘭けいさんの星組公演と珠城さんの月組公演で内容は頭に入っています。今回はフレンチミュージカル版が原作ですが、主人公ジュリアンの造形はほぼ同じで「無愛想だが頭の良いイケメンの青年」です。作中では気高い、と表現…

キャベツ畑より…宝塚宙組「カジノ・ロワイヤル」

東京では見れないだろうなと思い、宝塚まで行ってきました 前評判であまり期待しなくて大丈夫そうだと思いつつ、意外にも楽しく見ました セットや装置はさすが大劇場。この前が御園座だったのでルーレットやパネルは立派に感じました 【キキさん】 モリアー…

新たなるコンビ誕生の予感 令和五年3月国立劇場「一條大蔵譚」

せっかくの桜の時期なのに、不意の雨で外の写真が取れずでした。でも場内はアツかったです! 冒頭に片岡亀蔵さんによる作品紹介があるんですが、私は歴史音痴なのでこのコーナーはすごくありがたい。頼朝義経の母である常盤御前ってこんな経緯なのね…!と説…

宝塚雪組「BONNIE&CLYDE」@御園座

新トップコンビのプレお披露目公演に行ってきました。 まずはじめにちょっとおかしなことを言うんですが、ボニクラの世界観って歌舞伎の演目に似ていると思うんですね。歌舞伎には悪役を主人公とした話がたくさんあります。幕末に書かれた「三人吉三」の解説…

ほんとに全部見た?「重要文化財の秘密」国立近代美術館

東京近代美術館は竹橋のほど近くにあります 特別展は地階。常設展は(おそらく)展示内容を変えながら2〜4階です 重文指定の歴史と傾向についての年表が面白かったです。確かに芸術の選別なんてする側の好みでしかないですよね。欧州留学などの要素も加味され…

江戸のガーデニングセンス!「江戸絵画の華 第2部」出光美術館

出光美術館「江戸絵画の華」第1部はスケジュールが合いませんでしたが、なんとか第2部に行ってきました。出光美術館の入り口ってめちゃくちゃ裏口っぽくないですか?今回地上から入ろうと思ったら入り口が見つからなさすぎて焦りました 出光美術館はプライス…

ルドルフ、愛に没頭してないでさ… 宝塚花組「うたかたの恋/ENCHANTEMENT」

宝塚のお雛様は7段! 花組は2021年のアウグストゥスぶりです。当時の記事読み返したら、生でショーを見た初めての公演だったみたい…! ここまで、ハイロー、ディミトリ、応天の門と「THE西洋」という題材ではありませんでした。今回花組を見て、宝塚の美術・…

意外と知らない歌舞伎の動物たち 令和五年2月大歌舞伎

1部 三人吉三巴白波 墓場の場を初見して半泣きの国立劇場三人吉三の感想 コクーンにはコクーンの、歌舞伎座には歌舞伎座の良さがあります 1部は久しぶりにドブじゃない1等席に座りました 墓場の場は巳っくん十三郎の正面で、死に際に和尚の足に絡みついた虚…

迫力!大規模な立ち回り「巌流島」@明治座

念願の明治座に行ってきました!まずはお芝居の感想から。 1部は小次郎一行と武蔵の合流、2部はそれぞれの道が交錯し巌流島で決戦、という構成でした。舞台だと巌流島で顔を合わせるまで「一方その頃…」になってしまうんですよね。そこを単調に見せないよう…