すきなもの雑記

話したいことを話したいだけ

観劇

楽しそうで何より 令和五年鳳凰祭4月大歌舞伎

というわけで、月組のショーDeepSeaの前に歌舞伎座「新・陰陽師」の感想を。1週間で応天の門と陰陽師の舞台を見るなんて、本当人生何があるかわかりません。 少し話を横道にそらして、同じ夢枕獏氏の「沙門空海、唐の国にて鬼と宴す」の話沙門空海 唐の国に…

風間柚乃とその執着。宝塚月組「応天の門」

コロナ禍、一人でもんもんと歌舞伎の深みにはまっていたときにこんなことを書いていました 信じられますか?ここに並べていた「応天の門」と「陰陽師」が東京の地でお芝居になり、同時期に見ることができるんです というわけで、今回は月組「応天の門」につ…

颯爽と現れたのは…!?アイーダ@新国立劇場オペラパレス

まずオペラを見たことがない人間は、本当にこんな絵画みたいな繊細なセットなの?って疑うじゃないですか。私は疑っていました。もっと甘めのディテールになるんだろうなと。 しかしこのセット通りだった。 これまで見た舞台の中で、こんなに美しいセットを…

アメリカショービズの歴史を学ぶ GYPSY@東京芸術劇場プレイハウス

現在につながるレビューやショーやアイドルの形。元をたどるとどこへ行くのでしょうか。その源流とは? 実在のストリッパー、ジプシーローズリーの回顧録から母を中心に据えたミュージカル。初演は1959年で何度も再演されているようです。リーが40代で作られ…

殺しの色香に誘われて…令和五年 壽祝桜 4月大歌舞伎@明治座

明治座夜の部の初日に行ってきました! 明治座といえば中村屋でやるはずだった桜姫東文章がコロナ禍で中止になったままなんです。なんとか実現してほしいです。 通し狂言 絵本合法衢 多賀家の乗っ取りを狙う分家の大学之介(幸四郎)はお亀(種之助)を妾にしよ…

配役の仕方について考えてみる…宝塚星組「Le Rouge et le Noir」@日本青年館

赤と黒、原作は読んでいませんが安蘭けいさんの星組公演と珠城さんの月組公演で内容は頭に入っています。今回はフレンチミュージカル版が原作ですが、主人公ジュリアンの造形はほぼ同じで「無愛想だが頭の良いイケメンの青年」です。作中では気高い、と表現…

キャベツ畑より…宝塚宙組「カジノ・ロワイヤル」

東京では見れないだろうなと思い、宝塚まで行ってきました 前評判であまり期待しなくて大丈夫そうだと思いつつ、意外にも楽しく見ました セットや装置はさすが大劇場。この前が御園座だったのでルーレットやパネルは立派に感じました 【キキさん】 モリアー…

新たなるコンビ誕生の予感 令和五年3月国立劇場「一條大蔵譚」

せっかくの桜の時期なのに、不意の雨で外の写真が取れずでした。でも場内はアツかったです! 冒頭に片岡亀蔵さんによる作品紹介があるんですが、私は歴史音痴なのでこのコーナーはすごくありがたい。頼朝義経の母である常盤御前ってこんな経緯なのね…!と説…

宝塚雪組「BONNIE&CLYDE」@御園座

新トップコンビのプレお披露目公演に行ってきました。 まずはじめにちょっとおかしなことを言うんですが、ボニクラの世界観って歌舞伎の演目に似ていると思うんですね。歌舞伎には悪役を主人公とした話がたくさんあります。幕末に書かれた「三人吉三」の解説…

ルドルフ、愛に没頭してないでさ… 宝塚花組「うたかたの恋/ENCHANTEMENT」

宝塚のお雛様は7段! 花組は2021年のアウグストゥスぶりです。当時の記事読み返したら、生でショーを見た初めての公演だったみたい…! ここまで、ハイロー、ディミトリ、応天の門と「THE西洋」という題材ではありませんでした。今回花組を見て、宝塚の美術・…

意外と知らない歌舞伎の動物たち 令和五年2月大歌舞伎

1部 三人吉三巴白波 墓場の場を初見して半泣きの国立劇場三人吉三の感想 コクーンにはコクーンの、歌舞伎座には歌舞伎座の良さがあります 1部は久しぶりにドブじゃない1等席に座りました 墓場の場は巳っくん十三郎の正面で、死に際に和尚の足に絡みついた虚…

迫力!大規模な立ち回り「巌流島」@明治座

念願の明治座に行ってきました!まずはお芝居の感想から。 1部は小次郎一行と武蔵の合流、2部はそれぞれの道が交錯し巌流島で決戦、という構成でした。舞台だと巌流島で顔を合わせるまで「一方その頃…」になってしまうんですよね。そこを単調に見せないよう…

キラキラに目が眩む 宝塚星組「ディミトリ/ジャガービート」

ジャガービート、絢爛豪華な世界でした! 前作、前々作とショーの衣装が割とシンプルで物足りないなと思っていたので… もしかして…年間予算をすべてジャガビーに振ってきた??というくらいの装飾過剰。すべてが「ちょうど良い」から1段階か2段階多い。ただ…

新春黙阿弥フェス!令和五年 壽 初春大歌舞伎

黙阿弥の作品からにじみ出る人間の闇の部分と世を斜めから見る視点が好きです。黙阿弥がいなかったら、三人吉三という作品がなかったら、私はそこまで歌舞伎に魅力を感じていなかったでしょう。今月は3部全てで黙阿弥の作品が上演されています 1部 卯春歌舞…

新春歌舞伎公演 国立劇場「遠山桜天保日記」

松の内に観劇はできませんでしたが、年の始めを寿ぐ空気で満ちていました 1月の国立劇場、一番好きかもしれません。がしっと長くて内容はそこまで固くない。劇団にも抜群の信頼があります。 今回のお芝居は遠山桜天保日記です あらすじ 遠山の金さんは芝居好…

令和5年 新春浅草歌舞伎2部

新春浅草歌舞伎が3年ぶりに開催されました。 今回、出演者は1部と2部でぱきっとわかれています。 私が見たのは2部 吃又・連獅子 の2本です 浅草公会堂は改装が終わり、端に手すりが付きました。その関係で2階席各ブロックの端は当日券扱い。試しに座ってみた…

予想外の好演「井筒装束シリーズ 詩楽劇 八雲立つ」

2022年の最後に東京国際フォーラムホールBで行われた公演に行ってきました 冠についているJ-CULTURE FESTは年に1度行われているイベント?のようで、過去の演目を調べたところ歌舞伎役者だけでなく俳優さんや元タカラジェンヌ、音楽家の方などが出演してい…

しみじみと組子の実力が染み渡る 月組KAAT「ELPIDIO」

月組の別箱公演「ELPEDIO」を見てきました 個人的な感想ですが、別箱のチケットは友の会では全然歯が立たないものの、公演するホールのチケットページなら比較的取りやすい気がします。さらに今回は評判の良くない立見席を積極的に取りに行ったのでなおさら…

13代團十郎襲名11月吉例大歌舞伎

行ってきました襲名披露11月。 襲名披露用の幕 ちなみにこちらの方は過去に原画を見てます 夜の部 矢の根 曽我五郎が夢の中で十郎に会って、馬に乗って大根振りかざすよ!というお話でした…本当に… お弟子さんによる、背中のしめ縄生結び(?)があります。こ…

連れられて見たらどんな気分に…?月組全国ツアー「ブラックジャック/FULL SWING!」

月組全国ツアーの新潟公演に行ってきました 宝塚見に行くって連れられてブラックジャックだったらどうなんだろう…というくらい、絢爛豪華な宝塚のイメージとはかけ離れた作品です そもそも原作BJ自体が、子供が読むと物語の重さに「思ってたのと違う…」って…

これはトンチキではない…宝塚宙組「HiGH&LOW Capricciosa!!」

結論から言うとヅカローははまらなかったです。 ポイントが3つあって、1つめはカナのような「キミ」呼ばわりする余命のある女のコがヒロインの舞台半年以内に見てしまっていること。 2つめはHIPHOPとクラブの解釈。DJが置けない時点でこの2点を再現するのは…

アントニオ・ガデス舞踊団「カルメン」

アントニオ・ガデス舞踊団「カルメン」を見てきました。演出はアントニオ・ガデスとカルロス・サウラ。カルロス・サウラは映画「フラメンコ」の監督です。映画「フラメンコ」は本来土着の文化であるフラメンコを現代的な解釈でとらえ、乾いた空気感とロマの…

観客はちゃんと見ている(寝ながらも) さよなら国立劇場10月「義経千本桜」

国立劇場10月公演の義経千本桜通し上演を見てきました 通しと言うと「観客が」1日で演目を通すパターンもあると思うのですが、今回は「菊之助さんが」通すパターンなので3つのプログラムを日程ごとに上演していきます Aプロ 鳥居前・渡海屋・大物浦(二段目) …

思い起こすは文化祭の狂騒 平成中村座「十月大歌舞伎」

平成中村座に行ってきました 浅草寺の裏へ回ると平成中村座のテントが見えてきます。小さな門をくぐると物販の出店が数軒並び、靴を脱いで芝居小屋に入ります。なんだか文化祭の出し物のような雰囲気。みんなのわくわくが伝わってきました。私が見た日は気温…

長い旅の終わりに…宝塚月組「グレート・ギャツビー」

演目が発表されたのが昨年11月。小説を読み、映画を見てこのやるせなくも美しい世界に魅了されここまでやってきました。組の人事ではありちゃんの組替え、退団者。コロナ関連ではSS席日の中止、全て段取った母の初観劇日の中止などでムラ公演分全消え… それ…

令和四年 8月納涼歌舞伎で休演に反撃の一手!

後のために覚書。2022年の夏はコロナ禍で休演が相次ぎ初日の延期や休演明けの公演中止や劇場前での中止発表など、さまざまにオタクの心を踏みにじっていきました 歌舞伎座は奇しくも8月に出演者の部またぎを解禁。それが裏目に出て休演ドミノで途中全ての幕…

能「鬼滅の刃」からアニメ「鬼滅の刃」へ

観世能楽堂にて、能「鬼滅の刃」を見てきました 観世能楽堂はGINZA SIXの地下3階にあります。行きは気づかなかったけど、帰りに銀座駅から地下の遊歩道でつながってることがわかりました。ちょっと歩くけど、夏は地上に出るよりありがたい。 「能を見る」と…

充実の大阪松竹座 令和四年7月大歌舞伎

未来の自分が読んでもわかるように… 今回の遠征は本当に綱渡りでした。 松竹座は途中まで仁左衛門さんが休演(私が見たときは復帰)。前日に行くはずだった宝塚は初日延期、歌舞伎座では前の週末に突然3部とも中止に。他にも延期や当日中止決定の興行が相次ぎ…

あっちもこっちも動くから 国立劇場7月歌舞伎「紅葉狩」

これまた7月の話 国立劇場歌舞伎鑑賞教室 紅葉狩に行ってきました 紅葉狩 あらすじ 紅葉見物に出掛けた維茂一行、途中で華やかな姫の一向に出くわし、ひょんなことから酒宴の席に混ざることに。維茂たちが酔いの眠気で寝入ってしまうと姫が何やら不穏な動き…

中止になって振り返る令和四年7月大歌舞伎

やってまいりました7月 7月の期待を記事にしていた↓ 5月の自分に伝えたいですね〜 わたしのギャツビー7月の観劇は飛んだよ そして歌舞伎座は全部閉まっちゃったよ ギャツビーはですね、SS席3列目っていうプラチナ席が飛びまして…でも早めに初日をずらした宝…